「どうしたの？」

「・・・さっきから見られてる」

「え？」

「見るな」

誰が見ているのか周りを確認しようとしたが止められた。

こんな平和な街でも悪人はいる。

「だが、俺の勘違いかもしれない。場所変えるぞ」

「・・・うん。やっぱり狙われてるのは私？」

「だろうな。普通ならこんなおっさん狙わねェだろ？」

ついてくれば狙われてる証拠。

「良いか、俺から離れるな」

「うん！」

人気のない所に移動した。

けして後ろは振り返らないが足音でついて来ているのがわかる。

「おい！待てよ！」

急に後ろから声がかかる。

２人同時に振り返った。

見れば３人の人相が悪い男達。

「何の用だ？」

ベックマンがアイリの前に立つ。

「お前の連れの女、上玉じゃねェか。俺達に貸してくれないか？」

ニヤニヤしてる。

「俺の女だからそれは無理だ」

「こんな人気のない所に連れ込んでエッチでもするつもりだったのかァ？だったら俺達も混ぜてくれよ？」

「それは出来ねェ」

「そうよ。早く私達の前から消えて！！」

「お、威勢の良い姉ちゃんじゃねェか。そういう女は嫌いじゃねェ」

「キモイ・・・」

小声で言ったが相手には聞こえていた。

「てめェ、俺の事キモイって言ったか？」

「言ったわよ？キモイから！」

「下出に出てたら良い気なって！犯っちまえ！」

そう言うとアイリに向かって襲いかかって来た。

でもそれを黙って見てる副船長じゃない。

アイリに向かって振り下ろされた剣をなぎ払い銃で２人を打つとリーダー的な男の額に銃を突きつけた。

男の仲間達は倒れた。

「ひぃ・・・！」

「安心しろ、急所は外しておいた。でお前はどうする？」

鋭い目。

何かを言えば打たれそうだった。

仲間が銃で撃たれ自分の額に銃が突きつけられてる恐怖で先ほどの威勢はどこかに消えた。

「・・・す、すいませんでしたァ！」

仲間を置き去りにし自分だけ逃げた。

その後すぐに他の仲間も起き上がり逃げて行った。

「ふぅ・・・」

「ベックありがとう」

「ああ。だがアイリもあまり相手を挑発するな。良いな？」

「はーい」

「本当反省してるのか？」

「でもベックが守ってくれるんでしょ？俺に守らせてくれって言ってたし」

「・・・ははは、本当アイリには、かなわないな」

その後、デートを再開し早めに街のホテルで１泊することにした。

２人なのでベットも２つ。

「久しぶりのホテルだね」

「そうだな」

お互いベットに寝そべりながら話していた。

「でも船に戻らなくて良いのか？」

「ちゃんと、ママにはベックと泊って来るって言ったよ？」

「アイカだけか？」

「ママに言えばパパにも伝わるし、パパに直接言えば船に帰って来いって言われるでしょ？」

「そうか」

「私、先にお風呂入って来るね」

「ああ」

ベットから起きお風呂に入る準備をしていた。

ベックマンも起き上がり、たばこに火をつけた。

「・・・ねぇ、一緒に入る？」