授業が始まるチャイムが鳴る。

「こないだのテスト返すぞ」

先生が教室に入ってきて生徒に返していく。

生徒達が点数を見て一言、二言、言いながら席に着いていく。

それはもちろん点数が良くなかったのだろう。

「エースすげェな！また満点かよ」

男子の誰かがエースの点数を見てそう言った。

「ばーか、勉強したら満点ぐらい取れるぜ」

一見カッコ良く聞こえるがすごく嫌みにも取れる。

アイカが呼ばれ点数を見ると・・・。

「・・・さ・・・最悪だ・・・」

満点から何問間違ったか数えるより正解した数を数えた方が早い。

「エース・・・」

エースの方を見ながら涙目になりながら言う。

「何点だ？」

エースに答案を見せる。

「・・・お前・・・放課後残ってやるか？」

「・・・・うん・・・私なんて頑張ってもダメなんだ・・・」

「・・・・・」

エースは無言で席に着く。

テストを返された日はお互いバイトがない日に放課後アイカのためにエースが勉強を教える。

「す・・・すごいっ！エース！解った！簡単に解けちゃうね！」

アイカはエースに教えてもらいエースの教え方が良いためすごく解りやすい。

もしかしたら先生よりも良い教え方なのかもしれない。

「アイカも頑張れば出来るって事だよ」

エースはアイカを励ました。