少しばかしのヤキモチ屋


「…」

「…」

き、気まずい…。

帰り道。
お互い口を開かず、高尾の家へと向かい歩いていく。
あまりの気まずさに、高尾はキュッと口を閉じて冷や汗をかいた。

いや、この状態になったのはぶっちゃけ俺のせいよ?
真ちゃんに昼から変な態度しちまったし。

チラリと横目で緑間の様子を伺ってみると、特に気になるような事はなく、いつも通り。

「なんだ?」

「…いんや、なんも…」

視線に気付いたのか緑間は前を向きながら声だけをかける。
高尾はスッと視線を緑間から外して同じように前を向いた。

「…真ちゃん、俺別に体調大丈夫だからさ
送ってくまでしなくていいよ?」

「だろうな、馬鹿なお前が体調を崩すわけがない」

「うーん、それはそれで高尾ちゃん怒っちゃうぞ?」 

緑間の発言にカチンとするも、笑顔を絶やさずに言うと"フッ"と緑間は微かに笑みを浮かべた。

「…ようやくいつもの調子に戻ってきたな」

「え?」

「いつもみたいなお気楽な調子が戻ってきた、そう言ったのだよ」

「お気楽て、真ちゃんさっきから失礼じゃない?
俺の事なんだと思ってるのよ」

あまりの言われようにジトリとした目つきを向けると緑間はピタリと歩みを止めて高尾をジッと見下ろす。
その表情がいつもとは違い、どこか真剣な感じがして高尾は緑間から目が離せなくなる。

「なら、逆に聞くが…お前は俺の事、どう思っている?」

「どう…って…んん…そりゃ、我が校のエース様だけど?」

「バスケの事を無しにして、だ」

「バスケの事を無しにしてって、なによ真ちゃん
そんなに俺にどう思われてるのか知りたい感…じ…」

ニヤニヤとした笑みを浮かべながらからかい口調でツンツンと肘で緑間の腹部をつつくも大した反応がない。
緑間を見上げてみるも、真剣な表情は崩れておらず、だんだんと高尾の声は小さくなっていった。

え、なによその真剣な顔。
なんでそんな顔、俺に向けるわけ?

その顔…まるで…。










お昼ん時に真ちゃんに告白してきた先輩と、同じ顔じゃん。










「高尾」

「ま、待って真ちゃん!」

「むぐ」

名前を呼び、言葉を続けようとする緑間の口を両手で高尾は塞ぐと、緑間は驚いた表情を浮かべる。

「真ちゃん…あの…とりあえず…」

言いたいことがうまくまとまらず、高尾は"えーっとえーっと"と考えた後、少し恥ずかしげに顔を伏せながら口を開いた。










「…とりあえず、続きは俺んちで…いい?」










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