少しばかしのヤキモチ屋


『真ちゃーん、真ちゃんどこよー』

周りは真っ白。なにもない。
その中で、高尾は緑間を探していた。
ふと、遠くの方に人影があり、近付いてみてみると背が高く、緑間の髪の男性。
それを、高尾は緑間であることが分かった。

『真ちゃ』

手を振り、駆け足で名前を呼びながら近付こうとすると緑間の隣にふと女性がいる事に気が付いた。
なにを話しているかは分からない。

しかし、ふと見えた緑間の横顔はとても優しく、その女性に向けた眼差しはとても愛おしそうだった。


は…え。


『ま、待って真ちゃん!』

その光景に驚きながら必死に駆け寄り、手を伸ばすも一向に届くことは無い。
むしろ、距離が開いていく感覚がある。


やだ、やだ…真ちゃん…。

俺以外の奴に、そんな顔向けないで…。

真ちゃん…。










「ッ…真ちゃん!」

ガバッと勢いよく上体を起こした。
静かな教室内に自分の声が響き、周りを見てみると自分一人となっていた。

…夢…?

「…はぁぁ…」

気の抜けた声を漏らしながら力が抜けたように机に再度突っ伏して、瞳を閉じる。

なんつー夢見てるんだか…そんなに昼の事、引きずってるなんて…。

でも…。

あまりに先程見た夢がリアルで、無意識に瞳に涙が溜まっていく。

やば、ただの夢なのに泣きそう…てか、もう涙出てる…。
俺、どんだけ真ちゃんの事好きなんだよ…気持ち悪。










「…真ちゃぁん」










「…なんだ、高尾」

「…んえ?」

自分の背後から聞き覚えのある声が聞こえる。
高尾は恐る恐る振り向いていると、本を読みながら椅子に座っている緑間の姿があった。










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