勘違いから始まる関係


今、なんて…?

突然の告白に骸は呆然と立つくし、雲雀を見ていた。
雲雀は恥ずかしがる様子もなく、いつも通り平然としている。

「え…っと…すいません、状況が理解できないのですが」

先程の発言に理解が出来ず、骸は額に手を当て言葉を振り絞った。

「…誰が、誰を好きなんです?」

「僕が、君を」

…どうやら聞き間違えではなかったらしい。

「…貴方、僕のこと殺したいほど嫌ってるんじゃないんですか?」

「一度もそんな事言った覚えはないよ」

「咬み殺す、とか言ってたじゃないですか」

「うん、咬み殺したい程愛しているから」

「ほら見なさい、やはり咬み殺…」

今、"愛してる"って言いました?

「…いや、ない…あり得ないでしょう」

雲雀の言動を理解しようにも到底できない。
骸はぶつぶつと呟きながら再度雲雀を見ると、いつの間にか距離を詰めていたのか顔がドアップで目の前にあり、"ひッ"と情けない声が出てしまう。

「なにがあり得ないの?」

「…あ、貴方が僕のことを好きということですよ
何なんですか、好きって…」

「君、しつこいんだけど
僕が好きと言ったら好きなんだよ」

少し苛ついた表情を浮かべだす雲雀を刺激しないようにと骸は"少し落ち着いてください"と制した。

「ではなぜ毎日のように戦いを」

「会う口実」

「好意を持つ相手に素直になれない小学生男子ですか、貴方
…そもそも、僕に好意って…え、僕をそういう目で見てるんですか?」

「そういう目っていうのは?」

「それは…まぁ…キスをしたい、とか…触れ合いたい、とか…」

自分で言っておいてだんだんと恥ずかしくなり、雲雀から視線をそらしてしまう。

「あぁ、そういう事…」

骸の言動にしばらく首を傾げて考え込んでいた雲雀だったが、ピンッと理解したのか納得したような表情になった。

「やはり、そういう目で見てるわけではないですよね?」

「そうだね」

「あぁ、それならば安心し」

「その体をめちゃくちゃに"ピーッ"して"ピーーーーッ"したい」

「…」

真顔で自分の欲という欲を吐き出すかのように発言する雲雀。
骸は言い返す気力もなく口を閉ざしてしまった。

…どうしたものか。
いや、本当に困ってしまいましたね…。
まさかの告白を受けるとは…しかし…僕の答えは決まっているも当然。

「…雲雀恭弥」

「なに」









「僕は、君のことをそういう風に見ていないので…ご遠慮していただきたいのですが」

「それは無理だよ」

「そうですか無理で…え、無理?」










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