忘れた頃に


「…久々ですね…ここまで来るのは」

自分が普段拠点を置いている黒曜から並盛町へと足を伸ばした骸は歩きながらぽつりと1人呟いた。

並盛中に行ったのが2週間ほど前。
それ以降は、彼の家に行くか僕の元へと来るかでしたからね…と言っても、その2週間の間で会ったのは3日ほど…。
いや、以前は1ヶ月に1回の頻度になっていたりしたので…そう考えると会う回数は増えている…?

クフフ、それはそれでいいことです。
僕としても、彼と会うことは…。











…いやいや、待て。











ふと自分の思考に違和感を覚え、骸はその場で歩みを止めて額に手を当てた。

これではまるで、僕が恭弥に会いたいと思っているではないか。
会いたくない、というわけではないが…。
それに、今日この並盛に来たのも一昨日僕が風邪を引いてしまい看病をしてもらったのでそのお礼を言いに行くだけ。
そう、お礼を言いに行くだけです。
こういう時、本当ならばスマホで連絡をすればいいだけですがあいにく連絡先を知らないので…。

「…そういえば、よくよく考えると連絡先知りませんね…
彼も聞いてこないですし」

スマホを持っていない、ということはない。
以前僕の目の前で電話をしていたのを確認していますから。

ふむ…しかし…。











ゾクッ。











「ッ?!」

突然走る悪寒。
骸はそれに目を見開いて驚きながら自分の身体を抱きしめる。

…なんだ、今のは。
もう熱は下がっているはず…ぶり返した…?











「あ、奇遇だね」

「!」











この声は…。

突如聞こえる、聞き覚えのある声。
無意識に頬に汗が伝いながら、骸はゆっくりと振り返った。










「やぁ、骸クン」

「…白蘭」










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