身体の熱さに見舞われて
「…そういえば…」
骸をソファーへと寝かしながら雲雀はふと疑問に思っていることを聞こうと口を開いた。
「他に今日は誰もいないのかい?
いつもうるさいはずなのに、今日は静かだけど」
「…」
「君が体調悪いとなれば、付きっきりで看病しそうなのに」
「…簡単な話、僕が人払いをしたからです」
「人払い?なんで」
「…移ってしまったら大変じゃないですか、彼らに」
「…」
「今まであまり風邪になったことはないとは言え、一緒に住んでいる中で1人風邪を引けばもしかしたらうつってしまうかもしれない
そうなる前に、僕1人だけの空間にしておけば問題がありませんからね」
「…君が風邪引いてるのを知ってるのは」
「いえ、伝えてません
彼等の前では何時も通りを演じていましたからね…
今日は来客が来るとだけ伝え、ここを空けてもらったんです
まぁ、本当に来客が来るとは想定外でしたがね」
ふと瞳を閉じながらゆっくりと話す骸。
それを見て、雲雀は額に手を乗せた。
まだ熱く、もしかしたら先程よりも上がっているのかもしれない体温。
「…そう、なら君の所に来てよかった」
「…なぜです?」
「だって、もしかしたら孤独死してたかもしれないし」
「孤独死って、なにを馬鹿な」
「風邪でもこじらせたら重症化することがあるんだから、甘く見ないことだね」
「いたッ…」
触れていた額を指で軽くつつくと、骸は額を手で押さえてムッとした表情で雲雀を見上げた。
「病人には優しくしてください」
「何言ってるの、これ以上ないくらいに優しくしてる」
「…そうですね、貴方はいつも優しい」
骸の手が雲雀の頬へと伸び、優しく触れられて雲雀は瞳を細めて見つめ返す。
「…正直な所、恭弥が来てくれてよかったです
少し、心細かったので」
「…わぉ、可愛いこと言うね君」
「可愛いかどうかはわかりませんが…ありがとうございます、恭弥」
ふと笑みを浮かびながら礼の言葉を口にする姿に、雲雀は軽く瞳を見開いた後に骸の額へとキスを落とす。
「彼等、いつ頃帰ってくるの?」
「どうでしょう…おそらく夕方頃かと」
「そう…本当なら、君のことここから連れ出したいところだけど…今日は風邪引いてるから勘弁してあげるよ
…その代わり、彼等が帰ってくるまで一緒にいてあげる」
「くふふ…それは…嬉しいですねぇ…」
薬が効いてきたのか骸はうとうとと少し眠たそうに瞳を細める。
「…きょうや」
「…なんだい、骸」
骸に名前を呼ばれて顔を覗きこむと、骸は頬に触れていた手を雲雀の手の甲へと重ね、指を絡めるように握りしめた。
「…眠るまで、手…離さないでくださいね…?」
「…眠った後も離さないよ、僕が帰るまではね」
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