身体の熱さに見舞われて
ピピッ。
「…38.5℃…風邪だね」
骸が差していた体温計の音が鳴り、雲雀が取り上げると画面に映し出された数字を見て呟いた。、
「なにか食べたりしたの?」
「いえ…特には…その、1つ聞いてもいいですか?」
「いいけど、なに?」
雲雀からの質問に骸は答え、テーブルに置いてある中身がたくさん詰まっているレジ袋をチラ見しながら口を開く。
「…こんなにたくさんどうしたのです?」
「風邪とか引いことないからなにが必要か分からなくて、とりあえずいろいろ買ってきた」
「…それはどうも…」
「ゼリーとか、軽いものもあるけど
おかゆとかパイナップルとか桃とかパイナップルとかパイナップルとか」
「パイナップル率高いのはわざとですか?好きですから別にいいですが…」
「少しでもいいからなにかお腹に入れて薬飲んで寝なよ」
「…では、ゼリーをいただけますか?」
骸に言われ、雲雀は袋の中からゼリーを取り出すと蓋を開けてスプーンですくい上げ、骸の口元へと運んだ。
「はい」
「はい…って、自分で食べれますよ」
「手、疲れるから早く食べてくれる?」
「…い、いただきます…」
雲雀とスプーンを交互に見た後におずおずと骸はスプーンに口をつけてゼリーを食べる。
「どう?」
「…美味しいです」
「そう、ならよかった」
少しでも食事を摂る様子に安堵の息を漏らし、雲雀は再度スプーンですくい再び口元へと運ぶ。
「ほら、あーん」
「ッく…ふふ…」
口を微かに開けながら声を掛けると、骸がおもむろに吹き出しておかしそうに小さく笑う。
「なに?」
「ふ…ふふ…すいません…」
突然笑われ、雲雀は驚きながらも首を傾げると骸は微かに身体を震わせながら未だに笑っている。
少しすると落ち着いたのか、呼吸を直しながら顔を向けてくる。
「貴方が"あーん"というのが似合わなくて、つい」
「…いいから早く食べなよ」
「んむぐッ…げほッ…ちょっと、恭弥…」
骸の言いように雲雀はムッとした表情を浮かべ、少し勢いを強めながら骸の口の中へとスプーンを突っ込んだ。
くぐもった声を上げながら骸はゼリーを飲み込んでしまい、数度咳き込んで微かに涙目になった瞳で雲雀を軽く睨む。
その表情に思わず背筋がゾクリと震え、無意識に笑みを浮かべてしまう。
「…ちょっと、なんで笑っているんです」
「…」
だめだ、今は病人だ。
訝しげな表情の骸を見て雲雀ははた、と思い返して軽く顔を横に振り、再びスプーンでゼリーをすくった。
「はい」
「…もう、子ども扱いを…」
「子ども扱いじゃなくて、病人扱いだよ」
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