小さいなりにも


『…まーったく…困ったししょーですねー』

『…ッ…は…ぐ…』

10年後の世界。
牢獄を出て、白蘭との戦いに挑む前の出来事だろうか。

小屋の中で、吐き気を催しそのまま嘔吐している自分の背中を誰かが撫でている感触がする。
おそらく、声の調子からしてフランだろう。

『ほら、白蘭のとこに行くんでしょー?
しゃんとしてくださいよ、しゃーんと』

『げほ…ッ…生身の状態で初めて会った師匠に言うセリフがそれですか…』

『どーせ、ししょーに慰めとかしても意味無いですからー
ケツ叩いてやったほうがいいかなーって』

『…まぁ…そのほうが…いいかもしれませんね…
千種達は、過剰に心配しますから
お前みたいなのが1人いたほうが、いいですね…1人以上は遠慮しますが』

だんだんと落ち着いてきたのか、骸は口元を拭いながらゆっくりと立ち上がる。

『…もういいんですかー?』

『…これ以上はゆっくりしてられないですから
下手したら、間に合わなくなってしまう』

『…ふぅん、まぁー…ししょーが言うなら従いますけど
10年間もホルマリン漬けになってたんですから、あんまり無理しないでくださいねー?』

『クフフ、わかっていますよ…』

『まぁ、安心してください、ししょー』











『死んだら骨ぐらいは拾ってあげますからね』

『…お前の骨は、拾ってやりませんがね』

『うわ、ひど』

『クフフ、死なせない、という意味ですよ』











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