心の奥底ではなにを思う?
「フラン」
千種は黒曜ランド内の骸の部屋の中へと入ると、いつもなら骸が座っているであろうソファーを陣取るかのように寝転がってお菓子を食べているフランを見つけてため息混じりに声をかけた。
「んー…?あー、千種さーん」
「…骸様の部屋に勝手に入らないでくれる?」
「いーじゃないですか、どーせししょーいないですし」
「…はぁ」
いつもよりも素っ気ないような態度。
フランはごろごろとソファーの上をわざとらしく転がり始め、それを見て再び千種の口からため息が出た。
…白蘭が訪れ、雲雀恭弥に連れ去られて一晩が明けたが骸様はまだ帰ってこない。
雲雀恭弥のところにいるのは確かだろうけれど…あの様子だと、戦っている、というわけではないだろう。
「…?」
ふとフランの座っているソファーに見覚えのある箱があり、千種は近付いて箱を手に取る。
「…これ、骸様と昨日食べてたチョコ…ゴミくらい捨てなよ」
「ゴミじゃないですよ、まだ中身入ってますー」
「…」
フランに言われて軽く振ってみると"コロンッ"と音が聞こえて中を開けてみると、確かにチョコが入っている。
というよりも、昨日骸と食べた時の個数と変わらない。
「食べていいって言われたのに、食べなかったの?」
「…元はししょーの物ですからね
ししょーが帰ってきたら一緒に食べるんですー」
「…」
なんだかんだ、骸様には慣れてるんだよな…フラン。
骸様、飴と鞭使い分けてるから。
「…そういえば、昨日」
「んー?」
千種はふと、昨日フランとの会話が途中であったことを思い出しフランへと近づいた。
「昨日、お前言ってたよね
骸様の様子のこと」
「んー…んー…?」
「ほら、雲雀恭弥のせいで途中になった話」
「…あー、思い出しましたー」
腕を組み声を漏らしながら考え込んでいたフランだったが思い出したのかポンッと手を叩きながらソファーの上から転げ落ちる。
「…痛くないの?」
「…痛くないと言えば嘘になりますー」
「…はぁ…それで?」
床に落ちたフランが起き上がると、仄かに額が赤くなっており、その様子を見た千種から再びため息が漏れ出る。
「えーっと、ししょーがみーたちの事部屋から出そうとした時なんですけどー
みー、ししょーの横顔チラーッて見たんですね出る前に
そしたらですねー」
「ししょー、顔青くなっててー汗かいてたんですよねー」
「…」
「暑くないのになんで汗かいてたんでしょー?
体調でも悪かったんですかねー」
「…」
…やっぱり…。
「…フラン」
「はいー?」
「この事、犬達には内緒にしといて
というか、白蘭が来たこと自体伝えなくていい」
「えー、なんでですかー?
もとより言うつもりなかったですけどー」
「無駄に騒ぐから、犬とМ·Мは」
「?」
それだけ声を掛けると千種は骸の部屋から出ていき、扉に寄りかかった。
「…骸様…」
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