心の奥底ではなにを思う?
「…ふぁ」
部屋へと戻った雲雀と骸。
雲雀は眠だけに欠伸をしながらまだ敷きっぱなしの布団の上へと座り込んだ。
「すいません、付き合わせてしまい」
「別に…このくらいいいけど
それに、散歩に誘ったのは僕だからね」
…さて、どうするか。
雲雀は自分の隣に遠慮がちに腰掛けて謝る骸を横目で見ながら考える。
昨日、骸の元に白蘭が訪れて以降…元気がない。
僕の家に来て話した後は、少し元気になったかと思ったけれど…起きてからまた元気がなくなった。
それに、ずっと謝ってばかり…。
いつもの骸らしくない。
「…あの」
「?」
「…そんなに見られると…流石に恥ずかしいのですが…」
少し見ていたつもりが、骸が気付くほど見続けていたらしく、骸が恥ずかしそうに眉を下げながら顔を逸らす。
それを見て雲雀は少し黙り込んだ後に骸へと手を伸ばして腕を掴むと、グッと力を入れて引き寄せる。
「ッ?!」
弱ってる骸も、それはそれでいいんだけどね…。
驚き瞳を見開く骸を抱きしめながら小さく息を吐き、安心させるように優しく背中を撫で、首筋に顔を埋める。
骸は、僕になにも話してくれないから…なにを思っているのか、どうしてほしいのかが分からない。
あぁ…もどかしい。
「ッ…恭弥…」
白蘭と会ってから、骸がこうなったのだから…端的に考えると白蘭が原因であるのは間違いない。
そいつを咬み殺せば骸は元気になるのか…。
そもそも2人の間に、なにかがあった?
…10年後の、世界で。
「あの」
彼となにかあったとすれば、10年後の世界での事だろう。
骸の姿を見れたのは、白蘭との戦いの最中だった。
…その前のタイミングでなにかあったのか。
10年後の世界から戻ってきて、その後は…沢田綱吉達となにかしたな…群れ合って蕁麻疹出たからもう思い出したくない。
そしたら骸が牢獄から出てきてその後はほぼ毎日骸に会いに行ってたから、白蘭が介入する機会はない。
やっぱり、なにかあったとすれば10年後。
「恭弥」
思考にはまってしまい、骸に名前を呼ばれてハッとした雲雀は骸へと顔を向けた。
「なに?」
「…痛いです」
「…」
骸の視線が抱きしめている自分の腕へと向けられ、無意識に力が入ってしまっていたらしくぽつりと呟かれる。
「…すまないね」
「いえ…痛いですが…そのくらいのほうが、僕にはいいかもしれません」
…それって…。
「…君、そういうのが好」
「違います、そういう意味ではなくてですね」
自分の言葉に即座に否定する様子に雲雀は首を傾げた。
「なら、なんだい?」
「…あまり、こういうような事を言うのは良くないと思いますが…」
「…?」
口ごもる骸を雲雀はジッと見つめ、しばらくするとゆっくりと骸が口を開く。
「…そのくらい、強く抱き締められたほうが…恭弥のことを…強く感じられると、思いまして…」
「…」
「…黙らないでくださいよ、なにか話してください」
恥ずかしげに顔を逸らす骸の頬は、仄かに赤く染まっており、雲雀はふと口元に笑みを浮かべた。
…あぁ、本当に彼は…。
「骸」
「…なんです」
「それなら…もっと僕の事、感じてみる…?」
「…まだ朝方ですよ」
「時間なんて関係ないよ
僕は今、君のことを感じたいから抱きたいんだ」
…どれだけ、僕の事…好きなのだろうか。
「他のことを考えられないくらい、僕でもいっぱいにしてあげる」
…あの男が、入り込む余裕がない程にね。
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