怪しい動きにご注意を
「…もういっそ、僕のことを殺してください…」
「…まだ言ってるの?」
雲雀の家へとたどり着き、和室へと連れてこられた骸は両手で顔を隠したままそう言うと、雲雀が少し呆れたような口ぶりで言いながら畳の上へと骸を下ろした。
「千種とフランにどう思われたことやら…もう合わせる顔もありません…」
「ふぅん、嫁に来る?」
「…検討します」
「…わぉ」
「…それで、僕を貴方の家へと連れてきてどうするおつもりで?」
やっと心が落ち着いたのか、ため息混じりに言いながら顔を覆っていた手を離す。
すると、立っていた雲雀は骸の隣へと腰掛けた。
「別に、なにもしない」
「…珍しいですね、いつもなら僕の事好き放題しているのに」
「…してほしいならしてあげるけど、今の君にそういう事するのはよくないって僕でもわかるよ」
雲雀の言葉に驚いていると、雲雀の口から小さく息が吐き出される。
「君と彼の間に、10年後の世界でなにがあったかわからないし、過ぎてしまった事だから僕はどうすることもできない
…でも」
スッと雲雀の手が自分の頬へと伸びてきて、目元から頬にかけて優しく触れられた。
「君を、彼に渡すつもりはないから」
「君も簡単になびかないでよね」
「…ッ…あぁ、もう…なぜ歯の浮くような台詞をそう簡単に言えるのか…」
雲雀の言葉に骸はだんだんと顔を赤くしていき、頭を手で押さえながら雲雀へと寄りかかる。
身体の重さに少しよろけながらも雲雀は骸の肩へと手を伸ばしてギュッと抱き締めた。
「僕が思っていることをそのまま伝えたいから伝えてる、ただそれだけだよ」
「その方がわかりやすいので、それはそれで有り難いのですが…やはり、恥ずかしいというべきか」
「君、案外恥ずかしがり屋だからね」
「恥ずかしがり屋、というわけではありません
ただ…そのように真っ直ぐに愛を伝えられる、ということに慣れていないだけですよ」
本当に、恭弥の愛情表現には困ったものだ。
いや、困った…というのは違いますかね…嬉しいのでしょうけど、やはり慣れていないせいか…。
『またね、骸クン』
「…恭弥」
脳裏に白蘭の顔と声が過ぎり、骸はふと落ち着くように瞳を閉じた後に雲雀の名前を呼んだ。
「なに」
雲雀が顔を向けると同時に骸は雲雀の唇に自分の唇を重ね、驚いている雲雀にグッと体重をかけてそのまま押し倒し、上に跨りジッと見下ろした。
「むく」
「…すいません、恭弥
貴方の気遣いは嬉しいのですが…」
雲雀の手を手に取り、自分の胸元へと触れさせる。
「…僕のこと…抱いてくれませんか…?」
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