怪しい動きにご注意を
「ちょっと待ってちょっと待って
黙って追い出そうとしないで話聞いてよ骸クン」
白蘭の言葉を聞き、無言で部屋から追い出そうと背中に槍を突きつける骸に変わらず笑顔で白蘭は抵抗した。
「貴方のような方とお話することはもうありません
さっさと出ていきなさい」
「うっっわ、美形が台無しなほどのキレ顔
せっかくの美形が台無いたたた、ちょっと!尖端!尖端背中に刺さってる!」
「刺してるんですよ」
微かに尖端が背中に食い込んで痛みから声を上げる白蘭の様子に少し気持ちがスカッとし、骸はため息をつきながら槍を下ろした。
「…貴方ね、よくもまぁそのような世迷言を僕に言えたものだ
自分の立場をお忘れで?」
「あいたたた…まぁ、でもそれは済んだことじゃない?
過去の事は水に流して」
「未来で起きたことですよ、ややこしいので過去とか言わないでください」
「それに、僕
別に冗談で言ってるつもりじゃなくて」
「ならば相当たちが悪い、滅します」
「僕に対して殺意むき出しすぎじゃない骸クン
本当は未来の事、すべて思い出して」
「すべても何も、僕と貴方とでなにか記憶に相違があると?」
「うーん…相違というか、なんというか…
本当に思い出してないんだね、僕悲しいなぁ」
悲しげな笑みを浮かべながら白蘭は骸の頬へと手を伸ばし、ソッと優しく触れて愛おしそうに見つめ始める。
骸はピクリと反応を示し、眉間に寄る皺が更に深さを増す。
「思い出してないなら…」
「それに順する行動をすれば、思い出してくれるかな?」
ゾクッ。
「ッ!」
パシッ!
不意に白蘭の瞳から光が無くなり、影があるような笑みに骸は背筋が震え、自分の頬に触れていた白蘭の手を反射的に振り払っていた。
おかしい…なにかが…。
「はぁ…ッ…」
途端に呼吸が苦しくなり、自分の胸元をギュッと握りしめ膝に手をつく。
「あらら、大丈夫?骸クン」
「ッ…貴方…なにを…」
「うーん、やっぱり…記憶はなくても、身体は覚えているみたいだね」
少しずつ歩み寄る白蘭から離れるように、一歩、また一歩と少しよろめきながらも後ずさる。
なんだ、この感覚は…。
僕は一体、なにを…。
「骸クン」
「ッ…あ…」
壁際まで追い込まれ、骸は壁に背中をついた後、体の力が抜けてしまいガクッとその場に座り込む。
身体から嫌な汗がぶわっと一気に出てくる感覚が、不快に感じた。
「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ?
だからさ」
「また、10年後の時みたいに」
「"仲良く"、しようよ」
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