怪しい動きにご注意を
「…それで、貴方は一体なぜ日本にいるのです?」
自分の部屋から念の為、と千種とフランを部屋から出して自分の隣に平然と座っている白蘭にため息混じりに問いかけた。
「貴方、アルコバレーノの代理戦が終わってからユニ達と一緒に日本から出ていったはずでは?」
「うーん、まぁそうなんだけどねぇ」
白蘭はどこからともなくマシュマロの入った袋を取り出して口へとくわえ、骸にも"食べるかい?"と1つ差し出す。
「結構です、早く用件を」
「あははッ、つれないねぇ骸クン
もしかして、10年後で僕に負けたこと…まだ怒ってる?」
ピクッ。
「…あは、図星かな?」
「…」
微かに肩を跳ねさせると、それに気付いた白蘭はにこりと人当たりの良さそうな笑みを浮かべた
10年後…。
牢獄の中で見た、おかしな夢を思い出す。
夢…と言ったが、未来…10年後の世界で実際に起こった出来事だそうだが。
そんな非科学的なこと、本来ならあり得ない。
…あり得ないが、実際に沢田綱吉ボンゴレファミリー…それに、クロームが10年後の世界に行き見聞きしたことらしい。
それで、その件のラスボス的な立ち位置であったのが彼、目の前にいる白蘭。
そこで僕は一度彼と一戦交え、敗北をした。
しかし…。
「…クフフ、僕がそこまで気にすると思いますか?
確かに、あの時貴方の首を取れればそれに越したことではありませんでしたがね
しかし、僕の行動の一番の目的は貴方を倒すことではなかった」
「…ふふッ」
淡々と話す骸の言葉を聞き終え、白蘭は持っていたマシュマロを口へと放り投げ、パクッとくわえる。
「冗談だよ、冗談
ちょっとからかってみたかっただけ」
「…話が逸れましたが、貴方はなぜ日本にいるのです?
日本、というか僕のもとに来た理由は?」
「あぁ、それね
ただ骸クンに会いに来ただけだよ」
「…はい?」
サラリと告げられるその言葉に、骸は間の抜けた声を出して白蘭を見た。
「僕に会いにって…なにか用件は」
「え、ないよ?」
「ないよ…って…」
「うん、そもそも僕の用件は骸クンに会いに来ただけだから」
「…」
全くもって、意味がわからない。
「…では、僕に会えたのですからもうお帰りください
僕に会うということが貴方の目的だったのですから」
立ち上がり、白蘭の腕へと手を伸ばすと白蘭は逆にその腕を掴んで引き寄せ、そのまま骸を腕の中へと収めてしまう。
「ッな…」
「つっかまっえたッ」
「…一体、貴方はなにを」
自分を捕まえて上機嫌になった白蘭に苛つきを覚えながらも、骸は平静に問いかける。
「骸クンひどいなぁ…忘れてるの?」
「…忘れている…?」
微笑みながら問いかける白蘭の言葉。
意味が分からずに眉間に皺をよせていると、"あぁ、そっか"と白蘭は呟く。
「君が10年後の世界で、実際の自分の体で見聞きし、体験したのは終盤の方だったから…
うーん、それでもなぁ…皆記憶の引き継ぎされてるみたいだから…原因は他にある…?」
「…貴方、先程からなにをぶつぶつと言っているのです?」
「ん?うーん…ちょっと考え事をね」
「ならさっさと離してくれませんか?」
「骸クンさ、10年後の事って"すべて"思い出せてる?」
「…10年後?」
「うん、10年後」
それよりも僕の話を聞く気がないのか…?
顎に手を当てて考える仕草をする白蘭に疑問を感じるも、10年後で起こったであろう夢のことを思い出す。
…10年後…。
「…すべてもなにも、僕がすべてを知っているとは限りませんよ
牢獄に閉じ込められており、時折貴方の下へと送り込んだグイド·グレコと意識共有をすることはしていましたがすべてを見ていたわけではない
牢獄から出た後、自分の体で見聞きしたことはすべて覚えていますよ
しかし、先程言ったように…」
「ふぅん、なるほどね…」
白蘭は少し納得したような口ぶりでぽつりと呟き、骸へと視線を向けた。
「いい加減離しなさい」
「まぁまぁ、待ってよ骸クン
実はさ、僕が君に会いに来た理由なんだけど」
「…なんです?」
「僕が、骸クンの事好きだからなんだよね」
「出口はあちらなので、早々に消えなさい」
「ストレート過ぎじゃない?その殺意」
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