この姿を隠して
…別に、あのような想像をしたから彼に会いたくなったわけではない。
サァァ、と並盛中の屋上に霧とともに現れた骸。
トンッとフェンスに凭れながら空を仰いだ。
ただ…3日前以来会っていないのでそれで少し様子を見に来ただけです。
特に深い意味はなくて…そう…生存確認。生存確認です。
彼の場合、敵は多いし自ら戦いを挑むのでそれでやられていないのかの確認をしに来ただけであって…。
「僕が彼に会いたくて来た…そういうわけではありません!」
「へぇ、誰に会いに来たの?」
「?!」
拳をギュッと握りしめながら宣言をしていると、不意に屋上に聞こえる自分以外の声。
聞き覚えのあるその声に骸は驚きながら顔を向けると、屋上の扉を開けて入ってきたばかりであろう雲雀の姿があった。
「やぁ、骸」
「…」
まさか、本当に彼に会うとは…。
「…失礼します」
「待って」
自分の先ほどの発言が聞かれているかもしれない。
そう感じた骸はすぐさまこの場から姿を消そうと霧を出すが、それを阻止するかのように雲雀が手首を掴んだ。
「…なんです?」
「それはこっちの台詞
不法侵入とはいい度胸だね」
「だからすぐに帰りますので見逃していただけると」
「やだ、帰さない」
「…」
ジッと真剣な眼差しで見つめられ、骸は"はぁ…"と息を吐くと指を鳴らし、霧が一斉に晴れていった。
「…なぜ僕がここにいると?」
「別に偶然さ
昼寝をしようとしたら君が変な宣言してて」
「それは忘れなさい」
「それで、誰に会いに来たの?」
ズイッと距離を詰められてトンッとフェンスに両手を置いて骸を逃さない、というように追い詰められてしまう。
…あ…。
フランにされたような体勢に、骸は目を軽く見開いて雲雀を見つめる。
身長が自分のほうが高いせいで見上げてくる雲雀。
「…」
「…ねぇ、聞いてるの?
誰に会いに来たのか聞いてるんだけ…ど…」
骸の顔を見ながら問いかけていた雲雀の言葉がだんだんと小さくなっていき、骸の顔を凝視し始めた。
「…なんです」
「…いや…」
「なんで君、赤くなってるの?」
「…黙りなさい」
「自分から聞いといて理不尽じゃない?」
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