小さな弟子の嫉妬心
「なーんであんたから、ししょーと同じ匂いがするんですかー」
「ねぇ、早くこの小動物引き剥がしてくれる?」
「こら、やめなさいフラン」
依然として雲雀の匂いを嗅いでいるフランを煩わしく感じ雲雀は骸にそう言うと、骸は2人の間に割って入りフランを宥めるように頭を撫でた。
「流石に失礼ですよ?人の匂いをそんなに」
「だって気になるじゃないですかー
ししょーと同じ匂い…いや、ししょーが鳥の巣頭の匂いをつけてるんですかねー?」
「そんなわけ…」
首を傾げながら考えているフランの発言を否定しようとするも、骸はハッとした表情になる。
…雲雀恭弥と同じ匂いになるのは、行為をしてる時に匂いがついて…。
『骸』
「…」
「ししょー、どうしましたー?
なーんか顔真っ赤になってますけどー」
「…なにもないです」
シュウウウと顔から湯気が出そうなほど顔に熱が集まり、額に手を当てながらため息混じりにフランの問いに返答をした骸。
「…なにを想像してるんだか」
「ッ…黙りなさい」
その骸の様子に察したのか、雲雀はスッと骸に顔を近づけるとボソッとそう囁き、骸は慌てて雲雀の顔を手で押しのける。
「ほら、フラン
そろそろ帰りましょうか
もうアイスも食べ終えたようですし」
フランへと向き直り、残りのアイスを食べ終えているのを見ると骸はそう言いながらベンチから立ち上がるとフランは不満げな表情を浮かべた。
「えー、もう少し遊びましょうよ
折角のデートなんですしー」
ピクッ。
「…デート?」
「デートだなんて大袈裟な
ただアイスを買って公園でゆっくりしていただけでしょう?」
「それはもうデートと言っても過言ではないですー」
「過言ですよ…まったく
それでは、僕達はここで失礼しますよ」
「待ちなよ」
「?」
フランの言葉に半ば呆れながら肩へと手を置き、雲雀に一声かけると引き止められて身体を向ける。
「明日、朝から空けといて」
「明日?明日特に予定がないですから別にいいと言えばいいですが…なにか御用で?」
「なら明日、朝迎えに行くから」
「え、ちょっと
用件ぐらい言ったらどうです?」
スッと自分の隣を通り過ぎながら言う雲雀の言動に理解が追いつかずに背中に向けて問いかける。
すると、雲雀は立ち止まり身体を向けた。
「デート、行くんだけど」
「デー…はい?」
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