自由気ままはお互い様
…あたたかい…。
まるで、なにかに包まれているかのように…。
…このあたたかさは…。
「…ん…」
骸はうとうととしながら瞳をゆっくりと開け、窓から差し込む日差しに思わず開けたばかりの瞳を細めた。
眩しい…ここは…。
「ッ!」
そこでふと前を見ると雲雀の顔が間近にあることに気付いて起きたばかりで冴えなかった頭が冴えるのを感じた。
顔を見てみると、瞳を閉じており寝息が聞こえてくる。
…寝ている?しかし僕はなぜ…。
"おやすみ"
…そうだ、僕は確かヒバードへと姿を変えて…夜中帰ろうとした時に…。
「…やっと起きた」
昨晩の事を思い出している最中、ふと目の前の雲雀の瞳が開かれ声を掛けられる。
「…お…おはようございます…?」
「おはようって、もうお昼なんだけど」
「え…」
壁掛け時計を見れば現在の時刻は丁度正午を回ったところだった。
なぜ…。
まさかこんな時間まで眠っているとは思わなかった骸は驚きながら上体を起こす。
それにつられ、雲雀も上体を起こしながら大きな欠伸をした。
「…こんなつもりでは…
半日以上も寝てしまった…」
「君、起こしても起きないから僕動けなかったんだけど」
「それはすいません…
それでは、僕はこれで」
「待ちなよ」
自分の不甲斐なさにため息をつきながら骸が立ち上がろうとするとクイッと腕を掴まれてしまい、骸は雲雀を見下ろした。
「なんです?」
「せっかく来たのに、帰るの?」
「は…」
雲雀からの思いがけない言葉に骸は気の抜けた返事する。
その様子を知ってか知らずか、雲雀は立ち上がると眠たそうに伸びをした。
「ん…はぁ…行くよ」
「え、い、行くって何処に…」
ふらりと骸の腕を引きながら歩き出す雲雀。
展開についていけず、骸は頭に?を浮かべながら問いかけた。
「お風呂」
「…お風呂…?」
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