自分勝手過ぎるので
「!」
突然雲雀の手が伸びてきて自分の腕を掴んできたのを見て骸は驚いた表情を浮かべる。
すると、雲雀の瞳がゆっくりと開いて骸の姿を捉えた。
「…捕まえた」
「ッ…これはこれは…起きていたのですか?
狸寝入りとは随分と悪趣味な」
「寝込みを襲う方が悪趣味じゃない?」
距離を取ろうと後退るも腕を強い力で掴まれて離れられない。
雲雀は仰向けのまま骸へと眠たげな瞳を向ける。
「離してください」
「嫌だよ、離したら君逃げるから
…それに、もう夜だし…ふぁ」
「ッ」
欠伸をする雲雀に"本当に眠いんだな"と思っているとグイッと腕を引き寄せられ、勢いそのままに布団の中へと引きずり込まれてしまう。
「ちょっと、離しなさ」
「おやすみ」
「は、え、おやすみ…って…」
その一言だけを言うと、雲雀から再度寝息が聞こえてきて骸は拍子抜けをした。
姿を消した事について怒られること思っていましたが…少し、意外でしたね…。
あぁ、もう…。
彼の事を見ていれば、少しはなにか分かるかと思っていたのですが…。
「…彼を理解するのは、まだまだかかりそうだ…」
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