自分勝手過ぎるので


「骸様がいない?」

「そうなんですよー、朝から見当たらないんですー」

朝、部屋の掃除をしていた千種の元にやってきたフランが発した言葉に千種の掃除をしていた手が止まった。
フラン曰く、朝早く起きた時からいなかったそう。

「昨日夜遅くまで起きていたのは知ってるんですけど、朝から見当たらなくてー
今日は修行無し、ってことでいいですかねーいいですよねー?」

「…あとで俺が見るから」

「えー…せっかくサボれると思ったのによー…」

千種の言葉を聞いたフランはがっかりしたような雰囲気でぶつぶつと文句をたれ始める。

だけど、どこに行ったのだろうか。
たまにフラッと何処かへ行ったかと思えばいきなり帰って来る、というのは過去に何度もあった。
しかし、牢獄から解放されてからはそういう事は無くなっていたのだが…。

「千種さーん、どうしますー?
ししょー、探しますかー?」

「…いや、いい
そのうち帰ってくるだろうから」

少し考えた後、千種はそう言って先程止めた掃除の手を再度動かし始めた。










どうせ、いつもの気まぐれだ。
いずれ帰ってくるだろう。










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