勘違いから始まる関係
「…いや、無理と言われましても
僕は貴方に好意を持っていないので、僕のことを求められても困ると言いますか」
「それが?」
「それが?って…ですから、そのような好意を向けられても迷惑と言っているんです
僕は、貴方のその好意に応えるつもりは…」
「君に拒否権はないよ」
少し空いていた二人の距離を縮めるように雲雀はタンッと一歩近付いた。
目の前にくる雲雀の顔は、口角を微かに上げ笑みを浮かべている。
が、その瞳の奥はギラリと目の前の獲物に食らいつかんとばかりにぎらついていた。
その瞳に少し驚きながらも瞳を鋭くして雲雀を見据える。
「拒否権はあるでしょう?」
「君が言ったんだよね?
負けた場合は、君の事"好きにしていい"って」
「…あ」
雲雀は骸が最初に言った勝利した時の褒美を言い、思い出したかのように骸は声を漏らした。
「ですが、それは無効で」
「無効もなにもないよ、僕はこの時をずっと待っていたんだから」
「ッ!」
ドンッと勢いよく肩を押され、バランスを崩してしまった骸はそのまま後ろへと倒れ込んだ。
背中と頭に走る鈍痛に表情を歪めていると、自分を見下ろすかのように雲雀は上へと覆い被さった。
「ッあ、なた…ね…ッ」
「やっと」
自分の両頬に伸ばされ、触れられる手。
その感触があまりにも優しくて驚きながら雲雀を見上げると口角を上げて笑みを浮かべ、そのまま顔を近付けると小さく囁いた。
「やっとこれで、僕の物」
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