一人の時間
「蓮...ッ...!!」
ガバッと体を起こし、手を伸ばした先になにもいないことに気づいたホロホロは辺りを見渡した。
いつもの寝室、いつものベッドの上。
「...夢...」
先程の蓮とのやり取りが夢であったことを察したのかホロホロは深いため息をつきながらボフッと音を立てて再び横たわった。
まっっじで心臓に悪すぎるだろ、あんな夢!朝から最悪な気分だわ!!
よくよく考えたら蓮が俺の事捨てるわけねぇわな。
だってあの蓮だぜ?いつも俺にべたべたしてるし俺の事大好きだし。
「...ッはぁぁぁ、ばっかばかしい!」
ぶんぶんと顔を横に振ってマイナスな思考を振り払うとベッドから降りて寝室から出ていく。
「れーん、おは...」
リビングにいるであろう蓮へと声をかけるも肝心な蓮の姿が見えずに歩みを止めてリビングを見渡した。
しかし、蓮の姿は見えない。
「蓮ー」
「れーん」
「蓮さーん?」
キッチン、トイレ、風呂場と家の中を隅々と見るもやはり姿がなくホロホロはリビングの真ん中でポツンと一人佇んだ。
...あれ、まじでいないんですけど。
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