口数が少なかった理由
「とにかく、貴様はカリムとの戦いに集中すべきだ
こちらの世間話に耳を貸す必要はない」
「そんなにほいほい俺のプライベートを晒される世間話があってたまるかよ」
「いいから戦いを終いにしてこい
この会話の最中もハオがシャーマンキングになる時が刻一刻と迫ってきているのだから」
蓮はホロホロの背中をポンッと押し、"それに"と言葉を続けようとする。
「な、なんだよ」
「...いや、なにもない
早く行け」
「お、おぉ...お前絶対これ以上言うなよ!約束だかんな!!」
「ふむ、善処はする」
蓮の反応に納得はいっていないものの再びカリムへと体を向けてホロホロは歩きだした。
「...さて、葉
話を最初に戻して悪いのだが」
「お、おぅ」
「ホロホロのあの表情はやはりいいと思うんだ」
「さっきホロホロにこれ以上言うなって言われてたよな?」
「奴とのセック○について言うんじゃない
俺のただ単に奴に対する感想だからいいんだ
それに、俺は"善処する"と言っただけで"守る"とは言っておらん」
「確かに言ってないな
えっ、もしかしてまだ話続けるつもり?
やっとホロホロ戦闘体制に復帰できたのに?」
「当たり前だろう?
まだホロホロのあの表情について俺は1割も語っていない」
「まだ9割も残されてることに恐怖感じちまう
この緊張感の最中に聞かされるおいらの身にもなってほしい
ほら見ろよ、チョコラブと竜とリゼルグなんて座ってのほほんとし始めてるしオパチョに至ってはおねんねしてる」
「そんなものは知らない
それに、ホロホロがさっさとカリムを倒せばいいのになにを躊躇している」
「いや、躊躇もなにも...」
葉は気まずそうな表情を浮かべながら蓮の耳元へと顔を寄せてコソッと耳打ちをする。
「蓮が変なこと言い出したから...登場予定の人物が出にくくなってるんじゃないか?」
「...ならば、俺がこのように時間を潰していけば永遠にこの時間が続く=この時代のホロホロと共にいられるということか...」
「うーん、おいら達なにしに来たか考えような?」
「む...そうだな」
「やっと理解してくれたか」
「中学生のホロホロもいいが早く大人にならないと結婚が出来ない」
「えっ?」
「それはそれで困ったな...
今のくそ生意気で可愛いホロホロと大人で少し色気があるホロホロ...クッ、俺は一体どちらを選べばいいのだ...!!」
「お願いだからカリムとの戦いに集中させてくれませんかねぇ?!」
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