開かぬなら無理やり開けようその口を
ホロホロと喧嘩した。
いや、喧嘩は普段から軽めのものをするのだがすぐにあっちが折れて仲直りをする。
しかし、今日はどうやら折れる様子はないらしい。
まぁ、至極当然と言えば当然か。
なぜなら、今回の件に関しては俺が悪いのだから。
蓮はホロホロの座っているソファーへと近づいて隣へと腰かけた。
すると、特に避ける様子はない。
隣にいることは許されているようだ。
「...」
顔を覗き込んでみるとブッスーと膨れっ面をしており、蓮の事を視界にいれないようにしている。
「...不細工だな」
ホロホロの表情のあまりの酷さに思わず溢れた言葉。
その言葉にピクリと反応を示したかと思えば抱いていたクッションを蓮の顔面に向かって投げつけてきて、蓮はそのクッションを顔面で受け止めることとなった。
微かに走る痛みに表情を歪めながら顔を手で押さえホロホロをジトリと見つめる。
「ぶはッ」
痛がる蓮の様子にホロホロは吹き出すも蓮と目が合いしらばっくれるように顔を再びテレビへと移した。
こいつ...。
「人の言葉を無視し、暴力をしながら笑うとは大した根性だなホロホロ」
口元をひくつかせながらホロホロへと体を近づけるとそれを遮るように先程投げたクッションを手に取ったホロホロは自分の顔を隠した。
「言いたいことがあるのならばはっきり言え」
「...」
「...」
困った奴だ。
「意地でも俺とは口をききたくない、そう言うことだな?」
そう問いかけるもホロホロからの返事はない。
...仕方あるまい。
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