甘え上手の秘訣とは?


「...」

「...ホロホロのやつ、どうしたんよ?」

「全く動かないね」

蓮とホロホロの住んでいる家へとやってきた葉と葉王は、自分達が来てから一言も喋らずソファーで横になっているホロホロを見ながら蓮に聞く。

「さぁな、知らん」

「いや、知らんって...
お前以外にホロホロのことこんな風にする奴おらんだろ?」

「勝手になっているだけだ、気にするな」

「えぇ」

「まぁまぁ、いいじゃないか葉
ホロホロの飼い主である蓮が言っているのだから」

「...だぁれが俺の飼い主だよ」

葉王の言葉聞いてホロホロは上体を起こしながら言う。

「よぉ、ホロホロ
お邪魔してるぞ」

「おーぅ」

「珍しいね、君が前髪下ろしてるの」

「ん?あー...外れてたっぽい」

葉王に指摘された後に自分の額にソッと触れ、チラリと蓮を見た後に近くに落ちていたタオルを手に取ると額へと巻いて立ち上がる。

「ホロホロ、すまないがこのトレーをテーブルに持っていってくれ」

ホロホロが立ち上がるのを確認すると蓮はカップを置いたトレーをホロホロに差し出す。

「起きたばっかの奴使うなよ」

「勝手に貴様が寝ていただけではないか
文句言わずに運ばんか」

「へーへー、わかりましたよ」

ブツブツと文句を言いながらもトレーを受け取り、葉と葉王の前にあるテーブルに置く。

「あっ、葉はお茶のほうがよかったか?」

「ん?別になんでも飲むぞぉ
そんなに好き嫌いとかはないからなぁ」

「なら紅茶でいいか?
兄ちゃんのやつお茶より紅茶派だからストック大量にあってー...」

ピタッ。

ホロホロの発言に葉と葉王の動きが止まり、それに気付いたホロホロも動きが止まる。
その様子を見ていた蓮は口元を隠して笑いを堪え、プルプルと震え出す。

「...えーっと、お前に兄ちゃんっていたっけか?確かお前が長男じゃ」

「あ...いや、これはその」

葉が苦笑いをし頬をかきながらホロホロへと顔を向けると、ホロホロの顔がだんだんと赤くなっていき助けを求めるかのように蓮へと顔を向ける。
蓮は素知らぬ様子で棚から菓子を取り出し始めた。
二人の様子にピンッとなにかを察した葉王は葉の肩をポンポンッと叩く。

「どうしたんよ、葉王」

「葉、ホロホロだってそういう風に甘えたいときがあるのさ」

「え、どういう」

「おいこら葉王、お前なに言おうとしてんだよ」

葉王の言葉に意味がわからずにキョトンとしている葉の前を通り過ぎ、ホロホロは葉王の胸ぐらを掴んでぐらぐらと揺らす。

「あっはっはっは」

「その反応絶対俺の心読んだよな?そうなんだな?!」

「なんのこと、っうぷ、ちょ、やめ」

「...あぁ」

葉はなにやら思い付いたのかポンッと自分の手を叩いた。










「そういうプレイか!!」

「ちげぇわ!惜しいけどそうじゃねぇ!」

「惜しいんか?!」

「あっ」

「ッ...!!」

「ねぇ、ホロホロの反応で気付かなかったけど蓮がすごい笑い堪えてるんだけど大丈夫なのかい?」










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