最近あいつらの様子がおかしい
「...と、いうことだそうだ」
「...?いきなりなに言って...!」
ホロホロの言葉を聞いた蓮は小さく息を吐きながら上から退いて立ち上がると部屋の扉の方へと顔を向ける。
蓮の行動に訳のわからないホロホロはきょとんとしながら上体を起こすと、チョコラブが覗いていることに気付いてハッとする。
「...よ、よぉ...」
チョコラブは蓮に声をかけられてぎこちない笑みを浮かべながら姿を現して部屋へと入って二人に近づいた。
「なっ...え...あ?」
「日本語を話せ」
「い、つから...お前...」
ふるふると震えながらホロホロはチョコラブを指差す。
「えーっと...お前らが部屋から出てって数分後には」
「ほぼ最初からだな」
「...あぁぁぁぁぁ....」
ホロホロは近くにあった布団の中へとすっぽり入り込んで唸り声をあげ始める。
「俺は最初から気付いていたがな」
「え、嘘?まじで?俺隠れてたけど」
「俺からだと貴様のアフロが見えたのでな
尻隠して頭隠さず、というやつだ」
「それ逆ぅ...」
「...とにかく、先ほどまでの話は聞いていただろう?
俺はこの馬鹿と結婚を前提に付き合っている、と」
そう言いながら蓮は布団に隠れているホロホロを指差した。
「いや、聞いてたけど...え、結婚を前提に?」
「そうだ、結婚を前提に、だ」
今こいつ、"結婚を前提に"って言った?
「...まぁ、お前らが付き合ってるってのはまじで意外だったわ
いつも喧嘩してるからよ」
"よっこらしょ"とチョコラブはホロホロの隣に腰かけると、それに合わせて蓮も腰かけた。
ホロホロは少し顔を覗かせてチラリとチョコラブを見上げる。
「...引かねぇのかよ」
「え、なんでだよ?」
「お前の前では喧嘩してんのに裏ではちちくりあってんだぞ?ほら、引けよ」
「なんでお前そんなやけくそになってんだよ
別に引かねーよ、俺
俺の国じゃそんな珍しいことじゃないし、それにずーっと喧嘩してるよりは仲が良いほうがいいに決まってんじゃん」
「...」
「まぁ、驚いたっちゃ驚いたけどなー
まさかホロホロが突っ込まれる側だとは」
「~~~!!」
勢いよくガバッと体を起こし、顔を真っ赤にして今にも襲いかかりそうなホロホロを見てチョコラブはへらりと笑う。
「おーおー真っ赤真っ赤
案外可愛いとこあんだなホロホロー」
「おま...ッ...ぶっ飛ばす!!」
「うぉ?!ちょ、待て待て落ち着けって!ギャーー!!」
「...」
ホロホロに殴られる様子のチョコラブを見ながら蓮は腕を組んで"ふむ..."と声を漏らした。
「これはこれでホロホロがべたつく先が増えただけなのでは...?」
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