最近あいつらの様子がおかしい


「...はぁ」

部屋から少し離れた縁側へと腰掛けて、チョコラブはため息をつきながら空を見上げた。

俺は...葉の言う通り寂しいんかねぇ。
確かに二人が俺に内緒でこそこそとやってるのはあまりいい気はしない。
だっていくら出会いが短いからってあんなあからさまにさぁ。

「...やっぱ、聞いてみた方がいいよな
この前ははぐらかされちまったけど」

腕を組ながら考えた後にチョコラブはそう言うと意を決したように言葉にした。

葉はあぁ言ってたけどやっぱ気になるし聞いた方がすっきりするわ。
そんでもし、この前みたいにはぐらかされたらそん時は諦めよう。

「とりあえずあいつらいないし、明日とかに...」

「ッ...め...れ...」

「...?」

立ち上がり葉達がいる部屋へと戻ろうとしたところ、微かに声が聞こえてくる。

この声...ホロホロか?

声の主がホロホロだと気づいたチョコラブは聞こえてきた部屋の方へとゆっくり歩みを進めていく。
宴会をしていた部屋から少し離れた部屋の前に立ち、そっと部屋の中を覗いてみる。
すると、そこにはホロホロを壁に追いやっている蓮の姿があった。

こんなとこにいたのかよ、こいつら...って、なんか様子おかしくねぇか?
また喧嘩してんなら止めねぇと。

「おい、蓮...まじここではやめろって」

「む、なぜ...むぐっ」

「いつも言ってんだろ、ここ葉の家
他の奴等もいんだから我慢しろっての」

蓮はホロホロに手で口を塞がれてしまい不満げな視線を向けている。

「...ならば、どうしろと」

「いや、だから我慢しろって言ってんだろ
毎回毎回俺が他の奴に絡むと妬きやがって」

「貴様がべたべたし過ぎなのだ」

「別にいいだろうよ、ダチなんだから」

「俺にはしないのにか?」

蓮はホロホロの手首を掴むと顔を近づけ始める。










「恋人の俺には皆がいる前でくっつかないくせに」










...恋人...?
蓮と、ホロホロが?恋人同士??

蓮の放った言葉にチョコラブはついていけず、頭に?がたくさん出てくる。

「...恥ずかしいって言ってんじゃん」

「なにを恥ずかしがることがある?
そもそも、葉にべたべたべたべたとくっついているんだ
俺にくっついても変わりはしないだろう?」

「変わるわ!...す、好きな奴は...別だろ...」

「貴様はなぜ普段がさつなくせにそういうところは初なんだ?」

「うるっせぇ、だからやめ...」

「やめるわけなかろう?」

「ひっ...ばっか、本当お前ばっか!!」

蓮がホロホロの耳元で囁き、耳に舌を這わせるとホロホロの口から普段聞かれない少し高めの声が漏れる。

え、待って、ここでおっ始めるつもり?
てかこの流れだとホロホロがヤられる側なのか、すげぇ意外!!
俺ここからすぐ離れた方がいいんじゃ...。

「観念しろ」

「するか!...それに、この前チョコラブが俺達のこと怪しんでたんだから少しはこういうの控えた方がいいんじゃねーの?」

「!」

不意に自分の名前が出てきてチョコラブはビクッと体を跳ねさせる。

びっっくりした!一瞬ここにいるの気付かれてるのかと!

「ならばこの関係を伝えればいいじゃないか」

「それは...なんか、気まずくねぇか?この関係ばらしたらよぉ」

「そうか?それよりも...俺達がこそこそとしている方が、気まずいと思うがな」

そう言うと蓮はチラリとチョコラブの方へと視線を向け、バチッと目があった。

ば、ばれてらっしゃる...!!

「...チョコラブの事を思うのであれば告げるだ」

すぐに蓮は視線をホロホロへと戻した。

「そりゃ、そうかもしれねぇけどよ」

「それに以前も言ったが、どうせ遅かれ早かればれることだ
ならば今言ったところで変わらん」

「うぐぐぐ...」

「なにを迷うことがある」

「迷ってるわけじゃねぇよ、ただなんつーか...」

「奴のことだ、軽蔑などせん」

「それはわかってるよ、あいついい奴だし
ギャグのセンスは0だけど」

「そうだな、ギャグは面白くない」

おい。

「ならばいいではないか」

「うー...」

「...はぁ...貴様という奴は
それ以上ぐだぐたと言うつもりであれば...」

「うお?!」

唸り声をあげていつまでも悩んでいるホロホロの姿に痺れを切らした蓮は少し苛ついた口調で呟くとホロホロの肩を掴んで投げるように押し倒し、見下ろした。

「えっ、あの、蓮さーん...?」

「そのような態度を続けるのであればこの場で犯してもいいのだぞ?」

「ちょお!それはまじやめ...ッん...ちょ、どこ触ってんだよ変態!」

「あまり大きな声を出すとばれるぞ?
それとも...他人に見られるのが好みか?」

「ちっがうわ!お前が!やめりゃいいだけの話なのよ!!」

「ならばどうする?チョコラブにきちんと告げるか...ここで、ヤるか」

「ッあ...ぅ...~~!!」

ホロホロの服の中に手を入れ、腹部をまさぐりながら意地悪げな表情を浮かべる蓮。ホロホロはくすぐったさから小さく声をあげ、キッと蓮を睨み上げた。










「わ...わーったよ!言う!チョコラブに言うから!!」










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