最近あいつらの様子がおかしい


「おっまえら本当に全部食いやがって」

店から出てきたホロホロは前を歩いている蓮とチョコラブを恨めしそうに見つめた。

「なーに言ってんだよ、元はお前が蓮のやつに手出すからだろー」

「だぁって、蓮が早く食わねぇから」

「人には人のペースというものがあるのだ
そのくらい考えろ、馬鹿者」

「はぁん?」

「ほらほら、お前らその辺にしとけって!」

再び二人の間で火花が散り始め、それを宥めるようにチョコラブが間に割って入る。

...ん?

「...?」

「どうしたよ、チョコラブ」

チョコラブはふと二人の匂いに違和感を覚えてスンスンッと近寄って匂いを嗅ぐ。

「お、おぉ?なんだなんだ?」

「気持ちの悪いことをするな、一体どうしたというのだ」

「いやよぉ...なーんか蓮からホロホロの匂いして、逆にホロホロから蓮の匂いがすんだよなぁ」

「はぁ?」

「おそらく、先ほど隣同士の席だったからではないか?」

「んー、だからってそんなに濃く匂いがつくもんかねぇ」

チョコラブは唸り声をあげながら二人から距離をとり、交互に見つめた。
蓮は平然とした姿勢をしており、ホロホロはスッとチョコラブから目をそらす。

「最近、お前らでふらっといなくなることも結構あるし...」

「...」

「...お前ら...もしかして...」










「俺に内緒でなんか面白いことしてるんじゃねーだろーな?」










「「...は?」」

チョコラブから発せられた言葉に蓮とホロホロは予想外というような声が出てしまう。

「お前らずりぃぞ?チームメイトの俺を仲間はずれにしやがってよぉ!」

「いや、そういうわけではない
俺達はむぐっ」

ブーブーと唇を尖らせるチョコラブに蓮はなにかを言おうとするもホロホロがそれを遮るように手で口を覆い隠す。

「あー...っと、そ、そういうんじゃなくて...し、修行!修行してんの!
ほら、俺一番弱いからリーダーの蓮に見てもらってるー...的な!」

「ぷは、いやそうではなく...んぐ」

「おっまえは少し黙ってろよ!」

「...」

作り笑いを浮かべ言葉を慎重に選んでいるホロホロに対して蓮は手を振りほどき口を開くも再びホロホロに塞がれてしまい大人しくなった。

「修行ならいつもやってるしなんならアバさんにもっと」

「そこまでアバさんの手を煩わせるのもわりぃじゃん?
あーっと、い、今から俺達そーいうわけだからまた修行してくるわ!」  

「っあ、ちょ...って、はや!!」

そう言いながら慌てた様子でホロホロは蓮の首根っこを掴んで走って行ってしまい、チョコラブが声をかけようとするもいつの間にか小さくなってしまった二人の影。
ぽつんとその場に一人残されてしまったチョコラブ。










「あいつ等...なぁんか怪しくね?」










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