迷うことをやめたお前は


「...お前、俺の話聞いてた?」

「あぁ、聞いていたさ」

思わず眉間にシワを寄せながら蓮へと声をかけると平然とした態度で返事をした。

「俺がお前を好きに?そりゃないだろ
今後友達として好きになることはあるかもだけど恋愛対象は流石にねぇわ」

"ないない"と言うように顔の前で手を振りながら笑っているとなぜか自信に満ちた表情を蓮は浮かべていた。

「それはわからんだろう?俺は必ずお前に好意を抱かせてやる」

「ほーん...まぁ、無駄な努力にならねぇといいな
とりあえずまじでさっさと退けよ、そろそろ本当に腹減ってきて」

そう言いかけているといきなり蓮が自分のTシャツを胸板あたりまで捲りあげ、俺はギョッとしてしまう。

「思った通り、こちらも白い」

「ひぃッ...な、にしてんのお前!なにしてんの?!」

胸板から腹部にかけてゆっくりと指でなぞられくすぐったさから声を漏らし、ジッと見つめている蓮の頭をスパーンッと叩く。

「観察だが?」

「んなもんしなくていいだろが!てかしたところで」

「好意を抱かせてやると俺は言ったはずだが?」

「だからなんだよ!それとこれとは話が別だろが!」

「貴様は馬鹿か?」

「今のお前にだけは言われたくねぇなおい!」

「俺がどれだけ貴様のことを愛し、真剣に考えているかを証明しようとしているだけだ」

「だっからそれとこれとどういう関係があんだよ」

「どうすれば貴様に俺の思いが通じるのか、俺なりに考えてみたのだが
やはり行動で示すのが一番だと思ったのだ」

そう言いながら蓮は俺が床に置いていたタオルを手に取ると俺の両手首をギュッと固く縛り上げる。

「あ?なんだよこれ」

「なんだ、抵抗されるのかと思ったのだが」

「抵抗する暇もなくこうされたんじゃなにも抵抗できねぇっての
んで、今から俺に何しようとしてんだよ
まさかとは思うけど、俺のこと襲おうとか考えてねーだろうな?
いやーん、蓮のえっちぃ」

「そうだが?」

「は?」

冗談で言ったつもりが真顔で答えられて俺は思わずピシッと動きを止めてしまう。

「えっ、あの冗談だよな?」

「俺が嘘をつくと思うのか?そうでもしないと俺の本気が伝わらないと思ってな
それに...」

「ッえあ?!」

俺の足の間に体を滑り込ませてなにやら服越しに自分の孔にグリッと固いものが押し付けられて驚きのあまり体を跳ねさせ声をあげてしまう。

ちょ、まっ、なになになに?!これなんだよ...ッ!!

「先ほどから貴様との距離が近いせいかこの様でな...すまないが、相手をしてもらうぞホロホロ」

「なに言って...?!」

状況に戸惑いながらも上から降ってくる蓮の言葉に顔をあげると、ペロリと舌なめずりをしながら切羽詰まった笑みをしている蓮が目に入り、カァッと頬に熱が集まった。

「ようやく理解ができたようだな」

俺の表情から察したのか蓮はズイッと顔を近づけてチュッとリップ音を立てながら触れるだけのキスをする。

「やっ、待てって!俺男だし女みたいに入れられる場所ねぇ...ってか!こういうのは好きなもの同士でやるべきことで!」

「安心しろ、俺は愛しているから」

「愛し...ッ俺は!お前のこと!嫌いなの!」

「好きにさせるから問題ない
経験はないが予習はしてきている
できるだけ優しくしてやるから俺に身を任せろ」

「お前ほんっと人の話聞かねぇな!」

「ホロホロ」










「観念するんだな」

「ほんっと、いや、ちょ、どこ触って....あーーーーッ!!」










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