背中を向けられることが
「…寝ている」
寝室から布団一式を持ち運び終えた蓮は、ソファーの上で丸くなり眠っているホロホロの姿を見て静かに近付いて顔を覗き込んだ。
熱があるせいか、仄かに赤く染まった頬へと触れてみると、やはり熱い。
…薬を飲ませたかったのだが、眠ってしまったか。
まぁ、他に症状も特になかったし大丈夫だろう。
起こさぬように慎重にホロホロの身体を抱え、リビングに敷いた布団の上へと下ろす。
すると、"ん…"と小さく声を漏らして寝返りを打ち、数秒後には寝息が聞こえ始めた。
「…」
今のうちに、やるべきことをやっておくのがいいのだろうが…。
チラリとキッチンへと目を向けた後、蓮はホロホロの隣へと横たわり、ジッと顔を見つめながらホロホロの手を握りしめる。
すると、それに身体がピクリと微かに反応を示し、弱々しく握り返された。
「…まるで、赤子の反応のようだ」
思わず緩んでしまう頬。
普段なら、見られたくない姿だが今はホロホロも眠っており隠す必要もない。
…普段、甘えることのないホロホロ。
それが、今日は俺に珍しく弱った姿を見せた。
実際、体調を崩しているし、弱っていることは確かなのだが…。
"どっか行っちゃいそうだったから…つい…?"
「…馬鹿だな、貴様は」
俺が…ホロホロの元からいなくなることなんて。
俺から離れることなんて。
「…貴様を離すつもりなんて、あるわけなかろう」
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