わん·わん·わん


「…なぁんて、そんなわけねぇよな
わんわんって」

自分で言っておいて恥ずかしさがこみ上げてきたのか、けらけらと笑いながら蓮を見ると、なにやら首輪と鎖を手にしているのがわかった。

「…えっと…蓮さん?」

「正解だ」

「えっ」

「正解だ、と言っているんだ」

真顔で言いながら蓮はジリジリとホロホロに近づいてくるも、ホロホロは反射的に一歩、また一歩と蓮に合わせて後ずさる。

「待って、そういうプレイは望んでない
そのままお散歩とかそういうのは」

「そうか、貴様はそういうのがお好みか」

「ごめん、違う」

「お散歩は残念ながらしないが、いいから来い」

もう蓮の中で俺、すげぇ変態になってる…!

このままでは埒が明かねぇ。
蓮はこうなってしまったらてこでも動かねぇし…。

「…つけるだけだかんな」

ホロホロは逃げるのを諦めて蓮の目の前にススッと立つ。

「いい子だ」

そう言いながら頭を撫でられると、悪い気はしない。

首輪の長さの調節が終わり、少し首に重みがあるのを感じる。
蓮は満足げな表情を浮かべ、首輪に繋がれた鎖を部屋のテーブルの脚へと巻き付け…。

「…蓮さん?」

「なんだ?」

「なにやってるんすかねぇ?
そんな事されたら俺、部屋から出れねぇんだけど」

「そうだな、出れないな」

ホロホロからの問いかけに淡々と答えながら、蓮は鎖と鎖の間を南京錠で鍵をかけ立ち上がった。










「これは貴様を室内飼いする為のものだからな」

「…そっちは考えられなかったわ」

「トイレにも届く長さだし、食事に支障はないから安心しろ
ただ、外に出れないだけだ」

「それって普段通りの生活じゃね?」










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