涼しくなってきたので
⚠ここでのホロホロはあまりにも暑くなると、逆に人にくっついて甘えてくる癖があります。
"どんな癖だよ"と思いますが、暖かい目で見守ってあげてください。
「おい、なんか変なテロップ出てきたんだけど」
「気のせいだ」
「そんでもって、なんで俺正座させられてんの?!
この展開久々過ぎるんですけど?!」
「それは今から話し合いをするからだ」
「明らかに話し合いとは違うと思うんだよね俺ぇ!」
「さて、話を戻そう」
蓮はソファーへと深くまで腰掛け足を組みながら、目の前で床に正座をしているホロホロを見下ろした。
「今まで散々暑い暑いと言いながらも俺にひっついていたくせに、涼しくなった途端に離れおって…」
「え、ぁ、いやそれはよぉ…俺も無自覚だからなんつーか…」
「無自覚ならばなおさら質が悪い
人が"暑いならば離れろ"と言っても甘えたような声色で"嫌だぁ"などと言っていたのに」
「いやお前、それは嘘だろ!」
「ほぉ、証拠はこちらにあるのだが?」
反論をするホロホロを瞳を細くしながら見て、蓮は自分のスマホを取り出して画面をホロホロへと見せた。
「え、な、なに?」
「言うよりも見たほうが早い」
「んだよ…いったい、なに…が…」
『れぇん、あちぃ…』
『暑いならば離れろ、馬鹿者
熱中症になるぞ』
『いやだぁ…でも、蓮と離れるのはもっとやだぁ』
スマホの画面から流れてくる動画は、蓮が証拠といって自信満々に出してくるほどのものだった。
「これを見ても、減らず口を叩けるか?」
「うぐぐ…アリマセン…」
「よろしい
それで、本題に入るが、貴様は暑い時にしか俺にくっつかないのはどうかと思う
夫婦なのだからそちらから歩み寄ってもいいのでは?」
「もう夫婦って言ってるの突っ込むのもめんどくさいから言わねぇけどよ
そもそも、俺がくっつく前に蓮が触ってくるからいいかなって」
「…甘やかし過ぎたか」
「それ以前にもお前、俺に甘々だからな」
「ならば、俺からくっつくのをやめにしよう
そうすれば貴様から」
「蓮が我慢できるのかよ、俺に触らないの」
「ふん、馬鹿にするな
10分程度貴様に触れなくてもどうということはない」
「逆にタイムリミット10分なのかよ」
「なら貴様はどうなのだ?
俺に触れず、我慢できるのか?」
「…で…きる…?」
蓮からの問いかけにホロホロは少し考えた後、自信なさげでなおかつ疑問形で答えた。
「なんだ、その曖昧な答え方は」
「いや、ぶっちゃけ自信はねぇよ?
いつも蓮が俺に触ってきてるのに慣れちゃって
お前のせいなんだから、責任取れよなー…なんちゃって?」
「…」
「…」
「…」
「…この展開前も見たッッ!
なんで毎回黙んだよお前は!」
「自分の発言がだんだんと恥ずかしくなっていって羞恥心に駆られている貴様の姿を見たいがために」
「いい性格してんなちくしょう」
「だが安心しろホロホロ」
「なにがだよ」
「貴重なデレホロ、悪くはなかった」
「デレホロって新たな言葉作んなよ」
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