海に行こうか
「さて、そろそろ帰るとしようか」
日が暮れてきた夕方時。
蓮はパラソルの下で眠ってしまっているホロホロへと声をかける。
「ホロホロ、起きろ」
「ん…ぉ…なに…」
「帰ると言ったんだ
もう夕方だぞ」
「あれ…俺そんな寝てた?」
目を擦りながら体を起こしたホロホロは空がうっすらと赤くなっているのをボーッとした表情で見つめた。
「結構寝ていたな
普段日に当たらないからその分体力を消費したのだろう」
「まじかー…なぁんか、無駄にしちゃった感じだわ」
「そんなことは無かろう、前半は結構泳いだりしていたしな
それに、そう思うならまた来年来ればいい」
蓮は立ち上がり片付けをしようとパラソルを掴んだ。
「…それって、来年も俺と一緒に来てくれるってこと?」
「!」
言葉に振り向くと、三角座りをしながらはにかんでいるホロホロがいた。
「…ふ」
「当たり前だろう!
なんせ貴様は俺の妻なのだから」
「…うっわ、初めに言ってた洗脳不意にやんのやめてぇ」
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