海に行こうか
「…ふむ、やはり混んでいるな」
蓮は目の前に広がる海原と、その手前の砂浜にいるたくさんの人を見ながらぽつりと呟いた。
「もう夏も終わりかけだからあまりいないのかと思ったが…これは迂闊だったな
もう1本早い電車で来ればよかった」
肩にかけていたクーラーボックスを一旦地面へと置いてぐるぐると肩を回す。
まぁ、こればかりは仕方がないか。
もう夏休みも終わる寸前、最後の思い出を作ろうと来ている者も多いだろう。
これならばプールの方がよかったか?
いやでも、それはそれで人口密度が高そうだ。
「おい、ホロホロ
早くこっちに…」
蓮はふと一緒に来ているであろうホロホロに向かって声をかけ、ぴたりと動きを止めた。
「おい、溶けかけているではないか」
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