交換こ


「…」

「おい、ホロホロ
そろそろ機嫌を直せ」

蓮はソファーにうつ伏せになっているホロホロを見ると息を吐きながらわしゃりと頭を撫でた。

「…なんで今日に限って雨なんだよぉ…」

ホロホロの口からは恨めしげな声色が漏れ出る。
窓から聞こえる雨の音で状況はお察し。

「仕方あるまい、こればかりはな」

「でもよぉ!せっかく蓮が浴衣選んでくれたのにぃ!」

「初めは浴衣なんてと言っていたくせによく言う」

キャンッと喚きながらホロホロはガバッと体を起こす。

「でも蓮がぁ…」

「また別の機会に着ればよかろう
夏はまだ始まったばかりだしな」

「うううう」

「…仕方ない
ホロホロ、浴衣着付けてやるから持って来い」

「…花火大会行かねぇのに?」

「たまには家で浴衣で過ごすのもよかろう
それに…」

「…?それに、なんだよ」










「浴衣でするのもたまにはいいだろう?」

「…クリーニングかけなきゃならねぇじゃん…」

「貴様も満更でもなさそうじゃないか」 










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