まだ5月ですよ
「あ"ー…涼しぃぃ」
ホロホロは目の前にある扇風機を独り占めするかのように陣取り、風を一心不乱に受けている。
「そうか、それはよかったな」
「うぉ」
蓮はホロホロの背中へと寄りかかり、"独り占めをするな"と軽く頭を叩いた。
「だって蓮が出してくれたんだから使わにゃ勿体ねぇじゃん」
「暑いのが貴様だけだと思うな
俺も同様に暑…」
そこまで言いかけるも、ホロホロが一切聞いていないことに気付き蓮はイラッとした表情を浮かべる。
こやつ…先程までは俺にべったりとくっついていたくせに…。
口角をヒクつかせながら蓮は背後からホロホロを抱きしめると、カチッと音を立てながら電源ボタンをOFFにした。
「あ"っ!なにすんだよ蓮!」
「うるさい、まったく調子に乗るのも大概にしろホロホロ」
「別に調子になんか…って、なんでそんなくっついてんだよ」
「黙れ、貴様の体温を上がりに上げまくってやる」
「ふざっけんな、せっかく涼しくなったのにやめ」
「溶けるほど暑くしてやるから覚悟しろ」
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