暑い時には冷やしましょう


「...ッはぁー!きんもちいぃ!」

空気を入れ水を張ること2時間...。
ようやく入れる状態が整ったプールに入ったホロホロは気持ち良さそうに声をあげた。

「まったく、先程までのだらけ具合とはうって変わって...なんとも都合のいい奴だ」 

暑い中の空気入れ...なかなか堪えたな。
俺は縁側へと座ってホロホロを見ながら皮肉混じりに言う。

「蓮も入ろーぜ?」

「貴様、よくもまぁそんな事が言えるな
そのプール、そんなに大きくなかろう」

ホロホロが意気揚々と取り出してきたプール。
いい案配の大きさだったらよかったのだろうが...。

明らかに幼児が2~3人位入れる程の大きさだった。
残りのスペースはホロホロ1人入って少し余裕がある位。

「そんなところに入るくらいなら水風呂に入る」

額から流れ出る汗が煩わしくなり腕で拭いながら立ち上がる。

「ホロホロ、俺はシャワーを浴び」

プシャーッ!

振り向き様に言葉を発していると、唐突に顔になにかをかけられて反射的に目を瞑った。
ポタポタと頬を伝い流れていく液体。俺はゆっくりと瞳を開けて状況を理解しようとする。

かけられたのは...水か?

腕で拭いながら確認をしていると、プールに少し寄りかかりながら手に水鉄砲らしきものを持ったホロホロがニヤニヤとしている。

「...ぶっは!命中命中!
俺よく当てられたと思わねぇ?!」

俺の顔が相当滑稽だったのか、ホロホロは腹を抱えながらげらげらと笑い出す。

「...フッ」

俺は瞳を伏せて小さく笑うと、ズカズカとホロホロの元へと素早く歩いていく。
その行動にホロホロは"あ、やべ"となにかを悟ったかのような表情をした。

「ホロホロ」

「なに...あ、ちょっと俺の銃なんで取るんだよ」










「水着を着てくるからその間、大人しく待っていろよ」

「...!おぅ、待ってる待って」

プシャーッ!

「おぶッ!」










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