暑い時には冷やしましょう


「...んじゃ、その時間でお願いします」

「...どうだった?」

エアコンが壊れていることに気付いた俺達は修理屋に連絡を取ってみることした。
電話をしたホロホロが終わったのを見計らい声をかけてみると、顔を横に振りながら受話器を置く。

「だぁめだ、早くても今日の夕方頃になるとよ」

「夕方...」

俺はチラリと壁掛けの時計に目をやる。
現在の時刻は10時...夕方にはまだまだ程遠い。

「俺はともかく、貴様が問題だな
暑さに弱いだろうし」

「おーん...弱い、只でさえ今もやべぇ」

家の中で一台しかない扇風機の前にドカッと座り、"あー"と声を出しながら陣取り出す。
俺は立ち上がって冷蔵庫へと向かうと中から冷えピタを取り出し、戻ってホロホロの額へと勢いよくペシッと貼り付けた。

「んぉッ、気持ちいい」

「しかしまぁ、どうしたものか
貴様だけでも葉の家へと避難をするか?
あそこなら古いとはいえ、エアコン位ついているだろう
それに、霊も住み着いている事だし涼しいかもしれん」

「それ、違う涼しさだし霊に耐性ある俺達に意味あんのかね
つか、行くなら蓮も一緒じゃねぇの?」

「夕方頃とは言ったが早く来た場合誰かしらいないと困るだろう?
それならば一人はここに待機していた方がよかろう」

俺が腰かけると太ももの上にぽふりと頭をのせて顔を見上げてくる。
汗ばんだ頬をそっと撫でながら言うと、その手にすり寄り不服そうな表情を浮かべた。

「...蓮がいるなら俺もいる」

「わがままを言うな
暑さで体調を崩したらどうする」

「それでもいんだよぉ、蓮といんだぁ」

「...」

いつにも増して甘えるな。

頬を撫でていた手を移動させ、頭を撫でてやると"ふへ"と間抜けな笑い声をあげ出す。

いつもこの位甘えてくれてもいいのだが...。
しかし、このままこやつをここに置いておくのはいかんな。
俺が共に行くと言うまでテコでも動かなさそうだ。
さて、どうしたものか...。

「...あ」

「?」

ホロホロが声をあげたと思いきや、体を起こしてどこかへと歩いていってしまう。
何事かと思い行動を見守っていると、なにやらドヤ顔であるものを手にしながら戻ってきた。

「れぇん、これ入りながら待とうぜ?
これなら涼しいし遊べるし一石二鳥!」

「それは...」










「プールか?」

「あたりぃ!」










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