エイプリルフール
「大事な話がある」
いつになく真面目な顔をして、寝転がっているホロホロを見ながら蓮は言う。
「なんだよ」
聞き返すと蓮は少し言いづらそうに口ごもり、ソファーへと腰掛けて瞳をふと閉じた。
いつもと違う様子に少し戸惑いながらも体を起こすと蓮の隣へと座る。
え、なんか俺やらかしたか?
未だに瞳を閉じている蓮に思わず思う。
怒ってんの?なんかいつもとちげぇけど。
怒らせるようなことしたっけか?
...いや最近、俺なにもやらかして...。
あっ、最近夜寝るの早くて蓮といちゃついてねぇ。
そうか、それでこいつ怒ってんのか。
いやまじで、最近暖かくなってきたじゃん?ぽかぽかして気持ちよくてつい昼も寝ちゃうし夜も干して気持ちいい布団に入って秒で夢の中。
確かに最近ご無沙汰...あ、考え始めたらすげぇソワソワしてきた。
「...あのー、蓮さん」
蓮の方をチラリと見ながら声をかけるとビクッと驚いたように肩を跳ねさせ瞳を開けた。
え、そんなに驚く?!
「なにか言いたいことあんじゃねぇの?」
「あ、あぁ...そうだったな」
明らかに動揺している様子にホロホロの頭に?が浮かぶ。
蓮のこういうのあんま見たことねぇから新鮮だな。
もしかして、いちゃつきたいのに恥ずかしくて言い出せねぇとか?
蓮に限ってんなことないとは思うけど。いつもこいつ直球だし。
「ホロホロ」
蓮は深く息を吐いた後、意を決したように俺に向き直った。
「実は...貴様とさよゴボッ」
「唐突の吐血...?!」
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