一人の時間


「しかしまぁ、意外だったな」

「あ?なにがだよ」

「貴様があれほどまで心を乱し、俺に泣きついてきた事がだ」

「...」

「貴様が俺の事を好いているのはわかってはいるのだが、どこか一線を引いていたような気がしていた
俺ばかりが好意を伝え、触れているような気がしてならなかった」

蓮はホロホロへと距離を近付けて頬に手を伸ばして優しく撫でる。

「...んなこたねぇよ、そりゃ?お前の愛に比べたらうすっぺらいかもしれねぇけどさ」

「...ホロホロ、貴様は...」










「もう少し、自分の本心を表に出すべきだ...今回のようにな」

「...ぶはッ」

真剣な瞳で自分を見つめてくる蓮をしばらく見つめ返した後、ホロホロは吹き出しながら顔をそらした。

「なにがおかしい」

「俺ほど本心晒してる奴はいねぇと思うけど?」

「俺や葉達に嘘をつき続けていた奴がなにを言う」

「そりゃ...そうだけどよ」

「...貴様が過去の俺と今の俺を受け入れてくれたように、俺は貴様の全てを受け止める自信はある」

グイッと腕を引き寄せてそのままホロホロを強く抱き締めた。

「だからホロホロ」










「俺に全てを見せろ」










「...ッはぁぁぁぁぁ...」

蓮の言葉を黙って聞いていたホロホロは深いため息をつきながら蓮の胸板へとグリグリと顔を押し付けた。

「俺の裸ならもう見飽きたろ」

「体だけではなく、心の中も見せろと言う意味だ
あとまだ見飽きたりはしていないので安心しろ」

「それはそれでどうだかなぁって思うんだけどよ
...さ、さっき言ったこと、本当だろうな」

「あぁ、嘘はつかないさ」

「...なら」

ホロホロは一息つくと蓮へと顔を向ける。



 

  



「ずっととは言わねぇけど...なるべく俺から離れんなよな」

「ずっとでもいいが?」

「そこまで縛りたくな」

「...」

「...な...ならずっとで」

「あぁ、約束するさ
ずっと一緒だ...ホロホロ」










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