一人の時間


「日帰りで実家に帰ってた...?」

「そうだ」

葉の家から帰宅した二人はソファーへと腰かけて一息ついた後に蓮から放たれた言葉をホロホロは繰り返した。

「親父がたまには家に帰ってこい、と言ったのでな
俺は嫌だったのだが、姉さんからとうしてもと言われたので」

「な、なんだ...そうだったのかよ...」

「"一週間くらい泊まれ"と言われていたのだがそんな長期間実家にいてもやることもないので日帰りだったらいいという条件を出して帰った」

「一週間と日帰りじゃすげぇ差があんだけど」

「そもそも、だ」

蓮はジトリとした目付きでホロホロに視線をやり、その視線にビクリと体を跳ねさせる。

「俺はこの事を貴様に伝えていたはずだが?」

「は、え、い、いつだよ!俺覚えてないんですけど?!」

「1週間ほど前だ」

「1週間前...え、まじで俺覚えがねぇ...」

思い出すかのように頭を抱えながらしばらく考え込むも思い出せないのかダラダラと冷や汗を流しだす。

「本当に言った?」

「言った、確か...」

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1週間前。

『ッは...ぁ...』

ぐったりと横たわるホロホロの中から自身を引き抜いた蓮はホロホロの頭に手を伸ばしてそっと撫でながら見下ろした。

『この程度でへばるとは情けないな
...あぁ、そうだホロホロ』

『んへ...?』

『来週、日帰りで実家に帰る
早朝から出てしまうから一人で留守番できるか?』

『ん...んー...蓮』

『なんだ?』

名前を呼ばれて顔を近づけるとホロホロが蓮の首へと腕を回して抱きついてくる。

『もっと』

『...へばってるくせに欲はあるのだな』

『まだへばってねぇし、足りねぇの』

甘えるような声色で耳元で囁かれてゾクリと背筋が震え、思わず眉間にシワを寄せてしまう。

『...誘ったのは貴様だからな、覚悟しろ』

『ふは、ぁ、ん...上等...あ』


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「...」

「ほら、言っているだろう?」










「えっちの事後に言うのはだめだろ...!!」

「事後ではない、貴様に誘われて2ラウンド目入ったからな
貴様に誘われて」

「そこ強調すんな!!俺全然覚えてない!!」


 






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