一人の時間


「...なぁんて」

思っていた数時間前の俺を殴りたい。

魂が抜けたようにソファーに力なく突っ伏しながらチラリと壁かけてある時計に目をやる。
時計は16:00を指していた。

あのあともどうせすぐ帰ってくるだろうとたかをくくってたけど全然帰ってこねぇじゃん。
しかも連絡もねぇし。
えっ、まじでなんで?蓮いねぇ。寂しい。

"チッチッチッ"と秒針の時間を刻む音が部屋に響き、それを聞きながら上体を起こした。

...そういや、本当に一人になるの久々だな。いつも蓮が俺のそばにいたから。

「...」

...あれ、やべぇ...。









"一人"って、こんなに怖かったっけ...?










「...ふは...はは」

ホロホロは自分の思考に嘲笑をしながら額に巻いていたタオルに手をかけてほどいた。

一人なんて、ずっとそうだったじゃねぇかよ。
それをなんだよ、今さら"怖い"なんて。
俺はホロホロ様だぜ?

「...って、言っても」

とにかく、なんかこのままだとダメだわ。
蓮探しに行こうにもどこにいんのかわかんねぇし。
とりあえず、葉のとこ行くか。
あそこなら葉以外にもうるさい奴とかいそうだし。
この空間から逃げられるなら、どこでもいいや。









早く、この"一人"の時間をなくしたい。
 








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