例え切れたとしても
「…ねぇ、スクアーロ」
マーモンは隣に座り、書類に目を通しているスクアーロへと声を掛ける。
「なんだぁ?まだ書類はたくさんあるからくだらねぇ話は後にしろ」
「なんで君は僕に手伝いを頼んでおいて偉そうな言い草なのかな…まぁ、今はそれはいいや
君さ、まだ髪の毛伸ばしてるの?」
「髪だぁ?」
突然の問いかけに訝しげな表情を浮かべながら書類からマーモンへと目を移したスクアーロ。
「君が髪を伸ばしていたのは、ボスがボンゴレ10代目になる為の願掛けだと、過去に僕に話していたろう?
ほら、リング争奪戦の少し前の事なんだけど覚えてる?」
「…あぁ、そんな話ししたこともあったなぁ」
「でも、もうボンゴレ10代目は沢田綱吉でほぼ決まりだ
というとは、ボスがボンゴレ10代目になることはないに等しいと僕は思ってる
それならば、髪を伸ばして願掛けをする意味はないんじゃない?」
スクアーロの髪に手を伸ばし、ソッと指を通して触れてみる。
がさつな彼の割に、その髪は艷やかで傷みなどない。
相当大事にしていることが、それだけでもわかる。
「いや、切らねぇ」
「…ふぅん、だと思った」
「…」
即答をするスクアーロに大体答えがわかっていたマーモンはそう言い、髪から手を離した。
すると、スクアーロはなぜか意外そうな表情を向ける。
「なに、その顔」
「いや、お前のことだからまた悪態つくかと」
「…してほしいならしてあげるけど
君がそんなにМだとは思わなかったよ」
「そういうんじゃねぇ、勘違いすんなぁ」
「君がボスに対しての一途な思いはそばにいて嫌と言うほど分かってるからね、今さら悪態ついたところで…ってね
それに、僕がどうこう言ったところで君は聞かないだろうし」
スクアーロから書類へと目を移し、内容を確認する…が、中々内容が入ってこない。
そうさ、スクアーロのボスに対しての忠誠心なんて嫌と言うほどわかってる。
それが"恋愛"的な意味合いでないことも。
…だけど…だからといって…。
この"嫉妬心"は、消えることは無い。
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