僕の知らない世界の君
ボフンッ!
「!」
自分の太腿の上に乗っていたであろうマーモンが突如、白い煙に包まれた。
煙がだんだんと晴れていくと、先程とあまり身長は変わらないが、フードから出ている髪が長くなった今の時代のマーモンの姿が現れる。
「…戻ってきたかぁ」
「やぁ、ただいま…って、なんだい?
昔の僕とお楽しみなところだったかな?」
スクアーロの上に乗っている様子に気付いたマーモンが口元に笑みを浮かべ茶化すように言ってくる。
「ちげぇよ、ガキには興味ねぇ」
「ふぅん…あぁ、そういうことか」
マーモンはスクアーロの様子をジッと見つめた後になにかを察したのか、スクアーロを抱き締めてソッと頭に手を伸ばしゆっくりと撫で始めた。
「う"ぉぉい、お前」
「ボスとまた喧嘩した?喧嘩と言うにはいつも激しいけど」
「別にいつものだ、いつもの」
そう言いながらスクアーロはスッと瞳を伏せてマーモンの首筋に顔を埋め、少し寄りかかる。
「そう、それはお疲れ様
昔の僕にも、頭撫でるのねだったのかい?」
「んな事するわけねぇだろぉ
つか、頭撫でるのはお前が勝手にしてるだけだ」
「ふふ、そうだね…僕が勝手に撫でてるだけだ」
マーモンが微笑みながら言う姿をジトリとした目つきで見つめた後、スクアーロは再び瞳を伏せる。
何も言わないスクアーロに気を良くしたマーモンは瞳を細めながらスクアーロを見つめて小さく口を開いた。
「…まぁ…」
「この姿のスクアーロを見るのは…未来までのお楽しみって事で」
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