僕の知らない世界の君


「さっきマーモン先輩の部屋に隊長呼びに行った時にすんごい勢いでキレてましたからねー
初めて見るなら無理ないですー」

「ししッ、あいつ年々うるさくなってるからなー」

「ボスが肉どうこう言うのとか、食事優先なのはいつもの事なのにねぇ
いつもいつもブチ切れて、血管切れたりしないか心配よぉ」

「…ふふ」

口を揃えて言う3人にマーモンは"やはりボス絡みか…"と内心想像していた通りで笑ってしまう。

「ボスに対抗できるのなんて隊長だけですしねー
それ以外はレヴィさんみたいに病院送りになってしまいますしー
…まぁ、その分隊長のフォローに入ってくれる人がいるのが唯一の救いといいますかー」

「フォロー?」

「ししッ、確かに
それがねぇと俺達にまで被害飛んでくるし?」

「そうねぇ、本当いつも助かってるわぁ」

「へぇ、そんな奴がいるんだ…」

3人の様子からして、相当スクアーロが心を開いている人物なのだろう。
不意にズキッと自分の胸が痛む感覚に、マーモンは頬を少し膨らませる。











…なんか…。











「…うむむ…」

「なぁに唸ってんだよマーモン」

膨らんでいるマーモンの頬を指でつんつんとベルに突かれ、マーモンはぷしゅーと口の中の空気を抜いた。

「…別に、ただお腹が空いてるだけ」

「それならちょうどよかった
クッキー焼いてあるからよかったら食べる?
マーモンちゃんの好きなチョコチップクッキーもあるわよ?」

「ムムッ、それなら食べたい」

「ふふ、キッチンで冷ましてあるから取りに行ってくるわね」

「なら僕も手伝うよ、一緒に行く」

「あら、ありがと
そしたらブラウニーもつけてあげちゃう」

ベルの上からぴょんっと跳ね降り、タタッとルッスーリアの元へと走っていくとそのまま2人は談話室から出ていった。
2人きりになった談話室の中で、フランはスッとベルの顔を見る。

「…ベル先輩」

「なんだよ蛙、言わんとしてることはわかるけど」

「…いやー…たぶんですけどー」










「マーモン先輩、なぁんか誤解してますよねー、あれ」

「…うししッ、王子的には見てて楽しいからいーんじゃね?」











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