僕の知らない世界の君
「…なるほどな、通りで小さいわけだ」
マーモンの部屋のソファーで隣同士に腰掛けながら、スクアーロはマーモンからの説明で10年前から来たことを伝えるとスクアーロら納得したように頷いた。
「信じてくれるんだね」
「信じるも何もねぇだろぉ
現にお前は10年前の姿の時と同じだからな」
「逆に、これが幻術で君を騙してる、なんて思わないのかい?」
「そうするメリットがお前にねぇだろが」
「うん、そうだね…確かにそうだ」
話をしながらマーモンはチラリと隣にスクアーロをチラ見する。
…やっぱり、ここは10年後なんだな。いつものスクアーロとは違って、少し大人っぽいというか。
身長も少し高くなってるし、髪…なんか、すごい邪魔そう。前髪長過ぎて。
そうだよな、年齢で言うと32歳なわけだし。少しは落ち着…。
ガチャッ。
「スクアーロ作戦隊長ー、ボスが牛肉は黒毛和牛じゃなきゃ嫌だって暴れてるんですけどーどうにかなりません?
レヴィさんが行ったんですけど病院送りになりましてー」
扉が開かれる音同時に誰かの声が聞こえる。
その声の主は部屋へと入りながらスクアーロへと声をかけ、その人物の姿を見たマーモンはきょとんとした表情を浮かべた。
これは誰だろうか…現代にはいないメンバーだけれど。
だけどなんだろう、何処となく見覚えが…。
「あー、やっぱりマーモン先輩の部屋にいましたねー
2人が営み中じゃなくてよかったですー…ん?」
大きなカエルのような被り物に、エメラルドの髪色が目立つ彼…フランは、スクアーロの姿を視界に捉えるとそんな事を間延びした声で言いながら茶化すも、マーモンの姿を見て違和感を覚えたのか首を傾げた。
「えっと、君は…」
「んー、おー…おー…幻術かと思いましたけど、これー…本物のマーモン先輩ですねー」
「!」
ズイッと顔を近付けて至近距離でマーモンをジロジロと眺めだすフランにマーモンは驚いて身体を硬直させる。
「…スクアーロ…彼は」
「…」
「…スクアーロ?」
「あー、今は止めといたほうがいいですよ
噴火までのカウントダウン中なんで」
「カウントダウン…?」
よくよく見るとスクアーロは小刻みに身体を震わせており、顔を俯かせていた。
「スクアー」
「さーん」
「…あ」
「にー」
「あ?」
「いーち」
「あんのクソボスがぁぁぁ!!!」
「!!」
スクアーロが声を発する直前、フランがサッとマーモンを耳を塞ぐもビリビリと大きな声が鼓膜を刺激する。
ぐわんぐわんと脳が揺れる中、スクアーロは立ち上がりずかずかと音を立てながらマーモン達のいる部屋から去っていった。
「大丈夫ですか、マーモン先輩」
部屋の中が2人きりになり静寂が訪れ、フランはマーモンの耳から手を離して顔をのぞき込んだ。
「あ…あぁ…ありがとう…えっと…」
「フランですよ、ミーの名前はフランですー」
頭を手で押さえながらフランの名前が出てこないでいるとフランから説明をされる。
フラン…フランって確か…よく覚えてないけど、六道骸のチームにいた…。
「…りんごの被り物の…」
「そうですー、元はりんごでしたがあんたのせいで蛙になっちゃいましたー」
「なんで僕のせい…?」
「しかし、なんでマーモン先輩小さくなってるんですかー?
小さくなってるって言っても、ほんの少しですけどー」
ジロジロと全身くまなく眺めだすフランに、マーモンは"えっと"ま少し戸惑ってしまう。
初対面(?)だというのにグイグイ来るなこの子…。
「…とりあえず、他の幹部の所に行きますかー
スクアーロ隊長はしばらく戻ってこなさそうですしー」
一通り見終えて満足したのかフランは"よいしょ"と立ち上がり、マーモンをジッと見下ろす。
微かにだが、遠くの方でスクアーロの怒鳴り声と物がぶつかる音が聞こえてきて、マーモンはなんとなく状況を察した。
「他の…って、ベルもいるの?」
「…マーモン先輩、落ち着いて聞いてくださいねー」
ベルの名前を出すとフランは表情を変えずにマーモンの肩に手をぽんっと置き、ジッと顔を見つめだす。
そのなんともいえない雰囲気に、マーモン派思わずごくりと唾を飲み込んだ。
「…ベル先輩はー、任務に失敗して醜態を晒してそのまま…」
グサッ!
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