真っ暗なこの中で


目が見えないっていうだけで、随分と暇だな…。

ソファーに座り、真っ暗な世界の中マーモンはぼんやりと思った。

いつもだったら通帳見たり本読んだりするんだけど、どれも視力がないと出来ないこと。
まぁ、人間の生活のほとんどが目から情報を得ているんだ。無理はない。
しかし、時間まで分からないのは不便だな…。
そういえば、スクアーロの声が聞こえない。
さっき飲み物聞かれたから答えたのに、渡してくれないし。

「スクアーロ」

名前を呼ぶも返事が聞こえない。

おかしいな、スクアーロの声量だったら片方の微力な聴力でも聞こえるのに…。

「ねぇ、スクアーロってば」

再び声を掛けるも、スクアーロからの返事はない。

…僕が聞こえていないだけなのか、それとも本当にいないのか分からない。
でも、スクアーロの事だから僕が反応に困ってたら肩叩くくらいするはず。
ということは、部屋にいない…。
少し待ってたら戻って来るかな?

そう思い、待ってみるも戻って来る気配がない。

…あれ…もうどれだけ経っただろう。
スクアーロが戻ってこない。

なんか…視力と聴力のせいで周りの状態が分からなくて…。










すごく、怖い。











この感覚、似てるかも。虹の代理戦の時と。
あの時も、僕がいない間にバミューダが強襲して…皆が…。

…いや、そんな事あるわけない…って頭では分かってるんだけど。
分かってはいるんだけど…

マーモンは手探りでソファーの肘掛けを探すとゆっくりと立ち上がり、片手でまわりの物を確認しながら歩き始める。










確認…せずにはいられない。










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