こたつとみかんと年越しと
「…」
「…あの」
骸はこたつに入って反対側におり、すやすやと眠っている雲雀へと声を掛ける。
その声に気付いたのか、雲雀はうっすらと瞳を開きのそのそと上体を起こすとテーブルに顎を乗せた。
「…なに」
「なんで僕、貴方の家に呼ばれたんですか?
今日は大晦日なのに」
「…大晦日だからだよ」
「…?」
まだ眠いのかうとうととした表情で雲雀が言うも、骸は言葉の意図がわからずに首を傾げた。
大晦日だから僕を家に誘う、なんてなにを企んでいるんでしょう。
まぁ、彼の突発的な行動は今に始まったことではありませんが。
「大晦日なら、家族や友人と過ごすのではないんですか?」
「まぁ、そうだね」
「ならなおさらなぜ?」
「…君、いちいち言わないと分からないほど鈍感なの?」
「はい?」
だるそうに上体を起こして頬杖をつきながら少しめんどくさそうな表情でジッと骸を見つめる。
馬鹿にしたような口ぶりに骸は少し苛つきながら返事をした。
「…クフフ、あいにく僕は君の考えを理解しようと思っていませんのでね
はっきりと言わないと分かりませんよ」
「ふぅん…そう、君はストレートに伝えてほしいタイプって事」
「いえ、別にそこまでは言っていませんが…って、狭いんですけど」
雲雀はこたつから一旦出て骸の隣へと移動をすると腰掛けて同じ箇所に座りだした。
男2人、少し狭さを感じ骸は自分が移動しようと腰を少し浮かせると雲雀にガシッと腕を掴まれる。
「ッ…離し」
「骸と一緒に年、越したいから呼んだんだけど」
「…」
スッと骸の顔を覗き込みながら平然とした態度で言う雲雀。
その言葉に驚いたように骸は瞳を丸くする。
「君と付き合って初めての大晦日だし
普段は君と一緒にいられないから、今日と明日は独り占めしてもいいだろう?」
雲雀の真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになる。
骸はススッと顔を逸らして俯いた。
「…普段一緒にいられないのは貴方が僕を放ったらかしにするからでしょうに」
「君と違って忙しいからね
それで、ここまでストレートに言えば鈍い君でもわかるでしょ?」
「…分かりましたよ、えぇ…十分すぎるほどに」
少し悔しそうに眉間に皺を寄せ、骸は雲雀へと顔を向けた。
その顔を見た雲雀は口元に小さく笑みを浮かべて顔を近づけた。
「…あとで元朝詣り行こうか、屋台とか出てるだろうし」
「貴方の奢りなら行ってあげます」
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