任務の一環でして


遡ること2日前---

『…とりあえずわかったよ
女子生徒のフリをして沢田綱吉の護衛をするのは』

ヴァリアーアジトのスクアーロの部屋にて打ち合わせをするマーモン、スクアーロ、そしてリボーン。
リボーンに女子生徒としての潜入、護衛の件を聞き、説得をされたマーモンはため息混じりに答えた。

『すまねぇな、報酬は弾む』

『そうしてもらわないと困るよ』

『う"ぉぉい、いいのか本当に
どう考えたって…』

『マーモンが許可出したんだ、問題ねぇだろ?』

スクアーロが口を挟もうとするもリボーンに言われ、それ以上言うのをやめた。

『いいよ、スクアーロ
報酬弾むって言ってくれてるんだし
とりあえず制服は当日…』

『安心しろ、もう用意してある』

リボーンは横に置いていた紙袋を手に持つとマーモンへと差し出し、マーモンはそれを受け取った。
中を軽く確認すると並盛中の女子制服が入っているのが分かる。  

『やけに準備がいいな…』

『中に入ってるの"全部"身に付けろよ』

『あぁ、わかってるさ
君が渡した物なんだから、"全部"必要なものなんだろうし』

『…ならいい、俺は本部に寄ってからツナの所へ戻る
お前等はいつ頃来るんだ?』

『俺はルッスーリアにボスの世話頼まなきゃいけねぇ
あいつが帰ってくるのが明日朝イチだからその後すぐに向かう』

『僕もスクアーロと一緒に行くよ』

『そうか、なら頼んだからな
マーモン』

『ム、なに?』

本部へ戻る為にアジトを後にしようとするリボーンは立ち上がりながらマーモンの名前を呼ぶ。

『ちゃんと、"全部"着ろよな?』

『…?言われなくてもわかってるよ』

念を押すかのように言われ、少ししつこさを覚えながらもマーモンは頷いた。
すると、リボーンは帽子を深く被り直し口元に笑みを浮かべ"それじゃあな"と言いながらスクアーロの部屋を後にする。

『…それじゃ、僕は準備してこようかな』

『おぅ、俺も準備しながらルッスーリア待つとするかぁ…』

伸びをするスクアーロを見ながら立ち上がり、マーモンは紙袋を手にして部屋を出る。
自分の部屋へと辿り着くと、マーモンはテーブルの上に紙袋を置いてクローゼットへと向かう。

『日中はどうせ制服だし、そんなに服は持っていかなくて』

ガサッ。

『ムム、なんだ?』

なにかが床に落ちる音が聞こえてマーモンが振り向くと、先程テーブルに置いた紙袋が落ちているのが見える。

『よく置いてなかったのか』

紙袋を拾おうと近付いて紙袋を手に取り、出てしまった制服を拾い上げて紙袋の中へと戻そうとした。
すると、紙袋の底の方に他にもなにかが入っているのが見える。

なんだ、さっきはそこまで見ていなかったから気付かなかったな。
スカート履くから下着が見えないようになにか別な物が入って…。

よく見るために紙袋から取り出してみる。
そして、目に入った物にマーモンは言葉を失った。









『…女性物の…下着…?』










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「…はぁぁ…」

迂闊だった。
よく確認をしてから引き受けるべきだった…。

2日前の自分の迂闊さに呆れながらマーモンの口から何度目かのため息が漏れ出る。

だからあいつ、しつこいくらいに確認してきたのか…くそ…。
ブラジャーとパンツ、どっちも用意しやがって…しかも数日分、可愛い系のやつ。
あの時は、あいつがなにか考えがあってのことかと思ってそのまま着けちゃったけど。
結局、僕の反応を楽しむ為のものだった。

…とにかく、スクアーロにこの姿を見られるわけにはいかない。
こんなの見られたら…恥ずかしくて死ねる。
とりあえず、ブラジャー…朝つけることはできたけど…。

背中に手を伸ばしてホックを外そうとする。

「ん…っ…んぅ…あ…あれ…?」

中々ホックが外れず、マーモンは慌て始めた。

待って、これ、どうやって外すの…?
朝つけられたのに、なんでこれ…。

「ど、どうしよ…外れな…」










ガチャッ。

「う"ぉぉい、マーモン
お前バスタオル忘れ…て…」

「…あ」










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