お菓子を貰えるイベントだと聞いて
『骸、今年のハロウィンのお菓子は何がいい?』
マーモンからの電話で第一声で聞こえてきたその言葉。
「…貴方も律儀ですね、毎年そのように聞いてくるとは」
『どうせなら君が食べたいものをあげたいからね
君、けっこううるさいし』
「うるさいは余計ですよ、こだわりがあると言ってください」
『それで、何がいいの?
今からイタリア出るからその前にこっちで調達しようかと思って』
「おや、ハロウィンにはまだ先ですよ?」
『そうなんだけどさ、ハロウィン当日は忙しくて行けなさそうだから早いけどあげに行こうかなって
どうせ暇だろう?』
「まぁ、そうですね
特に予定はありませんので
しかし、欲しいお菓子ですか…」
骸は顎に手を当てて考え始める。
大概の美味しいお菓子は、彼が来る度に持ってきてくれるので特にないんですよねぇ…。
「…そういえば、前回会ったのはいつでしたっけ?」
『前回?ムム…確か…2か月…とか?
ここ最近忙しくて会いに行けてなかったから』
「そもそも、イタリアと日本ですし
こればかりは仕方ありません」
『…あぁ、そっか…うん、そうだよね…』
「…おや、どうしました?
もしかして、僕に会えなくて淋しいですか?」
"クフフ"と笑いながら冗談交じりに問いかけると、マーモンからの返事はなく無言。
おや、怒らせてしまいましたかね?
「マー」
『…さ』
「?」
『淋し…いのかもしれない』
「…」
『お、おい…黙るなよ』
「…クハハッ!」
『!』
意外な一言に骸は笑い出してしまう。
『おい、笑うなよ』
「クフフ…すいません、少々意外でして」
『うるさいな…もう飛行機出ちゃうから早くお菓子教えてよ』
「いえ、そのことですが…今年はいりませんよ」
『ムム、いらないの?なんで?』
「お菓子なんかよりも、早く貴方に会いたいからです」
『な…ッ』
「ほら、早く会いに来てください?マーモン」
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