僕に関心を


全く、くだらない。

長い階段を下りながら、マーモンは昼にコロネロと話したことを思い出した。

なんでもかんでも恋愛と繋げるとか、あいつラルといい感じだからって調子に乗りやがって。
僕とヴェルデがそんな関係になるわけないだろうに。
あいつは研究の為、モルモットがいればいいだけなのだから。
僕なんてそのモルモットの一匹のうちの一人だというのに。
まぁ、僕もお金をもらえてWin-Winの関係だからいいけど。

階段を降り終えて扉の前に立つ。数回ノックをすると、キィッと音を立てながら勝手に扉が開いた。
中へと入り、長い廊下を進み奥の扉。
マーモンはその扉を開けると中は実験室なのか実験道具が大量にあった。
ふと窓際に目を移すと椅子に座り資料とにらめっこをしているヴェルデの姿があった。

「やぁ、ヴェルデ
相変わらずやっているようだね」

「まぁな…今日は治験はないと言ったはずだが?」

「言われたけど、来たら来たでなにかあるかなっと思ってね」

「連絡した意味がまるでないな」

「それに君のことだ
休憩もせずにやっているんだろう?
なら、ストッパー役は一人くらいいないとじゃない?」

扉を閉めてヴェルデへと近付き、ポフッと背中に寄りかかりながら超能力でヴェルデが手にした書類を浮かせ、デスクの上へと置いた。

「おい、なにを勝手に」

「治験もないんじゃやることもないんだろう?」

「…お前が暇なだけだろう」

"重い、退け"と肘でつつかれマーモンが退くと、ヴェルデは伸びをしながら立ち上がり眼鏡を外した。

「終わりにするの?」

「やめろと言ったのはお前だ」

「やめろとは言ってないよ」

「どうせ区切りもよかった所だ、今日も泊まるのだろう?」

「うん、その為に任務とかも終わらせてきたからね」

2人は実験室から出てその近くの扉の部屋へと入っていく。
中はベッドとソファー、テレビなど最低限の生活用品しか置いていない。
ヴェルデは白衣を脱ぐとソファーの背もたれ部分に置いた。

「別に無理に私のところに来る必要はないと思うが?」

「君、金払いは良いからね
アルバイトをするにはちょうどいいのさ」 

「金の亡者め、それ以外に理由は…」

マーモンがパサッとフードを脱ぐとヴェルデは言葉を止めてしまい、"なに?"とマーモンが問いかけると顔を逸らしてしまった。

「…本当、面倒な奴だ」

「ムム、いきなり悪口とか失礼じゃない?
あ、あと悪いけどシャワー貸してくれる?
任務終わってすぐに来たから」

「お前…いや、もういい
どうせ拒否したところで勝手に使うのだろうからな」
 









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